売春防止法違反売春防止法ば い し ゅ ん ぼ う し ほ う

【売春防止法】「売春」とは、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交(SEX)をすること」を言います。
売春防止法は3条に「何人も売春をし、又はその相手方となってはならない。」と規定し、売ることも買うことも禁止しています。

弁護士が教える売春の周旋等

売春の周旋等とは

いわゆる「ポン引き」など売春の周旋及び周旋人の勧誘行為等を処罰する規定です。

売春の周旋等の罪(6条)売春の周旋をすること及び売春の周旋をする目的で、
①人を売春の相手方となるように勧誘すること
②売春の相手方となるように勧誘するため道路その他の公共の場所で人の身辺に立ちふさがり又はつきまとうこと、
③広告その他これに類似する方法により人を売春の相手方となるように誘引すること
2年以下の懲役又は5万円以下の罰金(併科も可)
すでに男女間で売春をすることの合意が成立している場合に、時間や場所だけを仲介する行為は「売春の周旋」になりますか?
周旋は、売春の成立に向けたものでなければならないので、質問の場合には原則として当たりません。但し、周旋の幇助となる場合はあり得ます。
ただし、時間や場所などであっても、これらの点について男女間で合意が成立しなければ売春が行われないような場合には、それらの点を仲介すれば周旋に該当する余地があります。売春の対価についても同様です。
売春婦から、売春の相手方となる者の紹介を依頼されて、相手方を探してその承諾を取りつけた場合にも周旋に当たりますか?
周旋は、売春をしようとする者とその相手方となろうとする者の双方からの依頼又は承諾があることを前提とするから、仲介行為がされることが必要です。ただし、あらかじめ双方からの依頼がある必要はなく、質問のような場合でも周旋罪が成立します。しかし、一方からの依頼に基づき相手方に勧誘したが拒否された場合には、双方からの依頼又は承諾があったとはいえませんので周旋罪にはなりません。
仲介行為は、売春の合意が成立する現場で直接関与する場合でなければ罪にはなりませんか?
タクシー運転手が、乗車した客から売春婦と遊びたいとの意図を明かされた上、その居所を伝えられてその場所まで客を乗車させ、客からの依頼で売春婦に客の希望する値段を告げて交渉し、売春を承諾させた事案について、周旋罪に該当するとしています(仙台高判昭33.12.9)。
ガイドクラブ、デートクラブ、愛人バンクなどと呼ばれる形体では、周旋者の立場に立つ者が、遊客とデート嬢などを引き合わせるところまでを行い、売春するか否か、売春の条件(時間及び代金など)等は遊客とデート嬢などとの話し合いに委ねる形をとることがあります。このような場合は周旋罪になるのでしょうか?
売春の周旋とは、既に売春の確定的意思を有する両者を引き合わせる行為はもちろん、その一方又は双方において、直接交渉の上、売春行為の許否を決めあるいは条件を決めるごとき不確定な意思を有する両者を引き合わせる場合も含みます。
売春婦と遊客の依頼又は承諾に基づいて、両者を仲介したものの、実際には売春行為が行われなかった場合には、周旋罪は成立しませんか?
仲介行為をもって既遂に達します。現実に売春が行われることはもとより、売春をする合意が成立することも必要ありません。
通行人に笑いかけ、通行人が「誰かいい娘いるか。」と尋ねられたのに対し、うなずいてホテルの方へ行くように指さしただけでも、勧誘行為として罰せられるのでしょうか?
勧誘行為として罰せられるためには、売春の周旋に向けた積極的行為がされることが必要なので、質問分の場合では足りないとされています(大阪地判昭46.11.5)。
勧誘をした相手が、売春取締りのために密行中の私服警察官であった場合、売春に応じる可能性が皆無であるので、勧誘行為それ自体が売春を助長する可能性はないため、勧誘行為として罰せられることはないのではありませんか?
勧誘は、周旋とは異なり、勧誘を受ける相手方の意思とは無関係の行為であり、勧誘行為それ自体が売春を助長する行為にほかならないから、たまたまその勧誘を受けたものが勧誘に応ずる意思を有せず、売春の相手方となる可能性がなかった場合にも禁止されています。
デートクラブ、ホテトルなどの宣伝用チラシ(所謂ピンクチラシ)を通行人に頒布し、あるいは公衆電話ボックス等に貼りつける行為は罪になるのでしょうか?
ピンクチラシを公衆電話ボックス等に貼りつける行為は、軽犯罪法第1条第32号(立入禁止場所への侵入罪)や同条第33号(はり札等の罪)に該当する可能性があります。
軽犯罪法違反の罪については、拘留又は科料が定められているのみです。
科料は、1000円以上1万円未満(刑法17条)という少額が徴収されるだけなので、再犯の抑止効果が低く、拘留は、被疑者が住居不定でない限り勾留することができない(刑事訴訟法60条3項)ため、取調べ及び公判への出頭の確保が必ずしも十分でないなどの問題があります。

頒布行為や貼り付け行為については、一般論としては、そのチラシの内容が通常人の目から見て売春の相手方となることを誘っているものと認識し得る程度のものであれば、売防法5条2項3号の周旋目的誘引罪が成立します(仙台地判昭和63.6.8)。
大阪高裁平成元.7.7の裁判例は、「ビラの文言、図柄等の記載内容のほか、貼付の場所、態様等も総合的に考慮し、社会通念に照らして売春の周旋目的が表示されているとみることができれば十分であり、ビラの文言自体から売春周旋の意思を表示していると認められる場合に限定する理由はない。」としています。

ピンクチラシの頒布・貼付については、地方公共団体の条例により規制されている例もあります。

最近では、周旋目的誘引罪による検挙を免れるために、直接的な売春誘引文句を記載せず電話番号のみを記載し、売春の時間や料金すらも記載していないものが多く出回っているようです。
このような場合の判断は、チラシが頒布・貼付された場所(歓楽街やラブホテル街など売春が行われていると思わせるような場所であるかどうかなど)、チラシの外観(女性の裸姿が印刷されているかどうかなど)、記載された文言の内容(「援助交際」、「自由交際」、「大人の交際」、「泊まり」等)などを総合的に考慮して、売春を誘引していると認められる場合には、周旋目的誘引にあたると判断される可能性があります。

デートクラブの経営者からピンクチラシの頒布・貼付のために雇われた、いわゆる「貼り子」も罰せられるのでしょうか?売春を周旋する目的のものであるとは思わなかったという弁解は通用するのでしょうか?
チラシの頒布・貼付された場所がどこであったか、対象者はどのような相手であるか、依頼者からは何と指示されているかなどの状況が確認されます。
チラシ配りの日当はいくらか、極めて高額の報酬ではないかなどが調べられ、売春目的とは知らなかったとの弁解が通らないこともあり、周旋目的誘引罪の幇助犯が成立することがあり得ます。

捜査上の留意点

デートクラブやホテトルなど売春の周旋を業態として行っている場合には、客や売春婦との連絡に用いた電話番号、売春が行われたホテル等の宿泊記録、宅配売春の場合は売春婦を届けた客の住居、客付けをした記録などから売春客の特定が可能となる場合もあります。ポン引きのような単発的な周旋事案は、客の特定が困難で、捜査に当たっては、客の確保が重要とされているようです。

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弁護士が教える困惑等による売春

本条は、人に何らかの圧力を加えて売春をさせた者を処罰する規定です。

困惑等による売春の罪(7条)人を欺き、若しくは困惑させてこれに売春をさせ、又は親族関係による影響力を利用して人に売春をさせること3年以下の懲役又は10万円以下の罰金(併科も可)
人を脅迫し、又は人に暴行を加えてこれに売春をさせること3年以下の懲役又は3年以下の懲役及び10万円以下の罰金

本条に該当する事案とは

かつては、売春をする者が自発的な意思によって売春することは極めて少なく、封建的な家族制度及び貧困を背景とするなどして、親族、情夫、雇主などから強要され、あるいは心理的な圧迫を加えられて心ならずも売春を行うに至った場合がほとんどでした。
そのような場合、売春婦が売春の対償を搾取されるのが通常であり、売春防止法の立法経緯からしても、第一に規制されなければならないとされていました。
近年では、このような圧力を受けての売春は減ったものの、いわゆる「ひも」など情夫から強要されて売春に及んだり、借金の返済を迫られて売春を強要されたりするなどの例もあります。
来日外国人女性から入国後パスポートなどを取り上げた上、アパートなどに強制的に居住させ、時には脅迫・暴行を加えて売春をさせるケースなどもあります。

該当する行為について

【人を欺いて売春させるとは】

例えば、結婚する意思がないにもかかわらず、「2人が結婚するためには金を準備する必要があるのだから、売春して金を作ってくれ」などとうそを言って、売春させる場合です。

【人を困惑させて売春させるとは】

暴行・脅迫に当たらない程度の方法によって、人に心理的圧迫を加え、又は人の自由意思を拘束することによって、精神的に自由な判断ができないようにすることをいいます。
債権債務関係や雇用関係などに絡めて、義理人情に訴えかけ、威力を示して売春を勧めるような場合で、例えば、「貸した金を今すぐ返してくれない会社が倒産してしまう。今すぐ返せないなら、客をとって金を作ってくれ。」「あのとき困っているあなたを雇って助けたのだから、会社の窮地を救うのは当たり前だ。体を売って金を作ってくれ。」などと言って、売春させる場合です。
困惑させるに該当するか否かは、当該言動、その前後の事情、相手方の年齢、知能、性格や、置かれた環境などを総合考慮して判断されます。

該当事案
  • 料理店の経営者が17歳の女給に対し、「この人は私の知っている人だし、こういう人に好かれなくちゃ駄目だ。」などと言って暗に売春を勧める言動をした場合(宇都宮家判昭33.7.7)。
  • 料理店の経営者が雇い入れている17歳の少女に、「この人は店の大事なお客さんで、どうしても泊まると言っているのだから泊めてやりなさいよ。」、「こんなに遅く実家に帰れるものではない。警察の人に見つかると変に思われるよ。」などと言って暗に売春を勧める言動をした場合(浦和家判昭34.9.16)。
  • ホステスが客を送りに行った際に、客からすでに経営者と話はついていると告げられて、ホステスが売春することも仕方ないと諦めるような場合にもこれに該当します。
※③「性的な行為を表す場面」とは
  • 自慰行為
  • 性交(SEX)
  • 性交(SEX)類似行為等を行っている場面
【親族関係による影響力を利用して売春させるとは】

売春させる者とさせられる者が民法725条の親族関係(六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族)であることが必要です。家庭の経済的苦境を訴えて売春して金を作って欲しいと懇願するのが典型的です。

【暴行・脅迫を加えて売春させるとは】

暴行・脅迫を加えて人に義務のないことを行わせる行為は、刑法223条の強要罪に該当し、3年以下の懲役に処せられます。本条は、売春をさせた場合について、3年以下の懲役又は3年以下の懲役及び10万円以下の罰金として特に重く処罰することとしています。
来日外国人女性から、来日ブローカーなどが入国後パスポートなどを取り上げた上、アパートなどに強制的に居住させ、時には脅迫・暴行を加えて売春をさせるケースなどがこれに該当する可能性があります。

対償の収受等の罪(8条)困惑等による売春の罪を犯した者が、その売春の対償(対価)の全部若しくは一部を収受し、又は要求し、若しくは約束したときは、重く処罰されます5年以下の懲役及び20万円以下の罰金
売春した者に対し、親族関係による影響力を利用して、売春の対償の全部又は一部の提供を要求すること3年以下の懲役又は10万円以下の罰金(併科も可)
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