売春防止法違反売春防止法ば い し ゅ ん ぼ う し ほ う

【売春防止法】「売春」とは、「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交(SEX)をすること」を言います。
売春防止法は3条に「何人も売春をし、又はその相手方となってはならない。」と規定し、売ることも買うことも禁止しています。

弁護士が教える売春をさせる目的での前貸し等

前貸し等の罪とは
前貸し等の罪(9条)売春をさせる目的で、前貸しその他の方法により人に金品その他の財産上の利益を供与すること3年以下の懲役又は10万円以下の罰金(併科も可)

身売金などと称する前借金を女性に貸し付けて女性を経済的・心理的に拘束し、売春を継続させていたことがあったことから、売春助長を禁圧するために設けられた規定です。
経済発展により前借金による拘束を利用した売春は減少していますが、貧困国から日本で働くために入国した外国人女性を対象にした事件は多いようです。

「前貸」とは前借金の貸付であり、以前の娼家で経営者が女性を雇い入れるに当たり、一定期間売春婦として稼働し、その稼ぎの中から返済することを条件に売春婦等に、身売金などと称して金員を貸し与えるものです。ただしその名義のいかんを問いません。

供与の相手方は売春をさせる者だけでなく、例えば、子に売春をさせるために親に前貸しをする場合のように、売春をする者との親族関係、雇用関係その他密接な関係により、売春をする者に対して供与するのと同一の効果がある第三者も含まれます。
身売金などとして前借金により売春を強制していた時代においては、売春を行う本人に対してよりも、むしろ、両親などに対して利益が供与され、子などが経済的・心理的に拘束を受けて売春をさせられていたようです。

売春をすれば借金をチャラにしてやるといって、売春をさせた場合、本罪は成立しますか?
財産上の利益の供与が必要ですが、必ずしも金銭である必要はありません。債務を免除することも該当しますし、金銭に見積もることのできるあらゆる利益を含みます。
売春をさせる目的で親が子供を引渡し身売金を受け取っていたが、実際に子供が売春をする前に警察によって、売春宿が摘発された場合、子供がまだ売春をしていないので本罪は成立しませんか?
売春をさせる目的のもとに供与がされれば、本罪は成立します。実際に売春がされたか否かは関係ありません。

捜査のポイント

売春をする者、利益の供与を受けた者、利益を供与した者、
それぞれの認識を詳細に聴取。

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売春をさせる契約

売春をさせる契約とは
売春をさせる契約の罪(10条)人に売春をさせることを内容とする契約をすること3年以下の懲役又は10万円以下の罰金(併科も可)
売春をさせる契約
愛人バンク、デートクラブ、ホテトル、デリバリーヘルスなどの新しい形態では、契約の時点において売春が強制されることはほぼありません。さらに、個々の売春についても強制あるいは義務によるものとは認められない場合が多いでしょう。このような契約でも本条の罪になるのでしょうか?
本条の罪になる可能性があります。
売春をさせる契約の内容について

実務では、契約上売春をすることが義務づけられていることは必要ではないが、契約により売春を助長するものであることを要すると解されているようです。

このような契約であれば、売春をすることがその契約の唯一の内容ないし厳密な意味での条件となっている必要はないし、報酬の有無、契約期間、売春の場所などの点について取決めがなくてもよい(最決昭和26.6.28)とされています。

裁判例によれば、契約が売春をさせられる側の負担なしに一方的に解約できるようになっていてもよいことになっています。
もちろん、契約は書面によって行われるものでなくてもよく、口頭その他適宜の方法で行われれば足ります。明示的でなくとも暗黙の合意があれば契約は成立するとされています(名古屋高判昭和25.6.12、名古屋高判昭和26.5.29)。

売春をさせることを内容とする契約をした上、その売春を行う場所を提供した場合は、何罪になりますか?
本条第1項の罪と第11条の罪が成立し、両者は併合罪の関係になります(最決昭和45.12.15)。
売春をさせることを内容とする契約をした上、その契約に基づき相手方に売春させることによって第12条の管理売春の罪を犯した場合は、何罪になりますか?
管理売春罪のみが成立し、本条の罪は成立しません(高松高判昭和34.6.24、大阪高判昭和39.5.8)。
売春をさせる契約をした者が、その契約の相手に遊客の紹介をした場合には、何罪になりますか?
本条の罪と周旋の罪(6条)が成立し、両者は併合罪の関係になります(大阪高判昭和46.3.2)。

周旋罪(6条)と売春をさせる契約罪(10条)の関係

デートクラブやホテトルなど派遣型売春と称される形態について、本法に関してもっとも端的な事実は、売春をしようとする者(デート嬢やホテトル嬢)とその相手方となる客との間に立って、売春が行われるように仲介することにあり、その意味では、当該売春に関しては、第6条に規定される周旋罪を適用することが実態に即しているように思われます。

ところが、周旋罪は

  • 法定刑が軽い上、
    第6条 周旋罪 「2年以下の懲役又は5万円以下の罰金」
    本条 売春をさせる契約罪 「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」
  • 罪体の立証についても、
    売春の相手方となった客の特定及びその供述の確保が不可欠であるところ、必ずしも遊客の特定・確保が容易ではないことから、
    捜査実務上、理論的には周旋罪が成立するような事実についても、これをもって処理せずに、売春婦を雇い入れた時点における契約を捉えて本条を適用することが少なくありません。

本条の適用に当たっても、「売春をさせる契約」が真実締結されたことを立証するために、契約の当事者双方からの供述のほかに、理論上は要件とされていませんが、実際に売春が行われた事実を立証することが通例であり、その場合には、当然、客の特定及びその供述の確保が必要となります。

※デートクラブやホテトルを経営している者の刑責を追及するに当たって、周旋罪(6条)の適用による方法では、営業犯的な実態を明らかにするためには、複数の売春の周旋事実について、売春ごとにその事実を明らかにする必要がありますが、売春をさせる契約罪(10条)によれば、複数のデート嬢等との間に契約が締結された事実を立証し、その補強として、少なくとも1つの売春の事実を具体的に立証することで足ります。
いわゆる客足がすべてそろわない場合であっても、その営業犯的な形態を訴因の上で明らかにすることができる場合があるのです。

捜査のポイント

※日報、宣伝用のピンクチラシや避妊具などの押収がされるようです。

デートクラブやホテトルなど営業的に売春を助長する行為をしている場合、売春婦を客につけた事実・サービス内容などについて日報としてノートなどに記載していることがありますが、このノート類は押収されるでしょう。特に宅配売春(デリヘル売春)の場合などにはその固定客の把握や売春婦に対する報酬支払の証拠資料とされます。
そのほか、事務所として使用されている場所には、宣伝用のピンクチラシや避妊具を大量に保管していることも多く、これらの証拠物の押収も行われます。

※携帯電話の発受信状況の確認

また、宅配売春などでは、客や売春婦との連絡で携帯電話を利用するため、客の特定や客等との連絡状況の証拠として携帯電話が押収され、発受信状況について解析がされます。

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弁護士が教える売春の場所の提供

場所の提供の罪(11条)情を知って、売春を行う場所を提供すること3年以下の懲役又は10万円以下の罰金(併科も可)
業として、場所の提供を行った場合7年以下の懲役及び30万円以下の罰金

ソープランドのオーナーなどが、支配人等営業責任者が定めた待機時間、欠勤等に対する制裁措置、外出制限等を必ずしも十分に認識していない場合、管理売春罪の刑責を負わせることが困難である。
この場合、場所提供を業とする事に対する刑責を問うことなどがあります。

「提供した者」については、特に、企業体の経営者・従業員の場合が問題になります。
企業体の経営者的立場に立つ者が「提供者」に該当することは当然であるし、直接に提供行為をする必要もないから、従業員を介して提供する行為もこれに当たります。

弁護士が教える売春をさせる業

売春をさせる業とは
売春をさせる業の罪(12条)人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせる業とすること10年以下の懲役及び30万円以下の罰金

いわゆる「管理売春」を処罰する規定です。
歴史的には遊郭や娼家経営など、売春婦を手元に抱え置く営業方法が、売春婦を客に対して安定的に供給し、売春営業を効率的に行い、売春婦から搾取する点で最も有効な手段とされていました。このような経営を根絶するために規定されたもので、本法中で最も重い法定刑が定められています。

この条文は、指定する場所に居住させることが必要です。
例えば、売春婦にアパートを指定して賃貸借契約を結ばせ、そこに住まわせるような場合が典型的です。
当初は売春婦が売春業者とは関係なく任意に選択した場所であっても、後に有形・無形の圧力を加え、自由に転居できないようにすれば、「指定する場所」に居住させたと解されるとした裁判例があります(広島高判昭和38.8.10)。

売春婦等を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に住みこませる場合で、住み込みの主たる目的が売春以外のことであっても本条の罪が成立します(東京高判昭和46.12.7)。

現在では、売春婦を住み込みさせることなく、売春業者の支配の及ばない場所において居住させ、そこから、売春をするために売春業者の支配・管理する場所へ通わせて、そこで客待ちをさせる、いわゆる「通い売春」と称する形態の事犯が多くなっているようです。
下級審裁判例の主流的な立場は、売春婦が起臥寝食の場を別個に有する場合であっても、売春業者が指定する場所に客待ちのために長時間待機するなどの事実があれば、その客待ちの場所を「住居」と認定する立場をとっているようです(名古屋高裁金沢支部昭和41.2.22)。

「通い売春」が売防法12条に該当するか否かは、
居住に対する支配が有るか否か、さらに売春行為に対する支配が有るか否かで判断されます。
居住に対する支配については、

1.通いに対する強制の有無、欠勤等に対する制裁の有無、外出に対する事由の有無
2.待機時間の長短
3.待機場所、売春場所
などを総合考慮して判断されます。

売春行為に対する支配については、
拘束性・支配管理性が必要です。

  • 売春業者と売春をする者との間において売春の時間、場所、対償の分配等について取決めがされているか否か及びその内容
  • 売春業者により売春の相手方を指定するか否か
  • 売春の対償を売春業者が受け取っているか否か及びその清算方法はどのようになっているか
  • 欠勤等に対して制裁が課されているか
  • 売春に対して勧誘、慫慂があるか否か及びその程度(売春婦に対する拘束は肉体的、物理的拘束に限らず、精神的拘束でもよいとされている)
  • 売春をする者が売春をしないと生計が成り立たないような仕組みになっているか否か(売春により得られる対償以外に固定給を支払っていないような事情は、本条の成立に積極的に作用)

などを総合考慮して判断されます。

「業とした者」とは

売春業者が得る経済的利益は必ずしも売春の対価によるものでなくても構いません。例えば、売春を飲食店などの客集めの手段として利用し、その結果、飲食店の売上が増加するような場合や売春の対価は売春をした者に全額帰属させる代わりに従業員としての固定給を低額(あるいはゼロ)にしているような場合など、売春によって売春業者に経済的利益が帰属する場合であればよいとされています。

売春が売春業者にとって本業である必要はなく、現実に行われた売春が1回にすぎないか否か、売春をさせた者が複数であるか否かは問いません。

捜査のポイント

ソープランドなどは会社により経営されることが多く、組織的な営業の一環において管理売春が行われるようです。かつての遊郭のように居住させて売春させてはいないものの、実際にはソープ嬢を集団待機させ、外出を禁じていつでも売春に応じられるようにしており、売春は店舗内で行われ、売春料金や時間は経営者側で一律に決め、その料金の一部をソープ嬢の報酬としているなどの経営実態からすると、業として売春させるものといえる場合が多いようです。
捜査では、ソープランドの関係者がいかなる認識のもとで、いかなる役割を果たしていたかなど犯罪行為への加担の程度を具体的に検討するようです。
ソープランドの実態が「通い売春」に当たり管理売春に該当する場合には、店で実際に営業を行っている店長や支配人と呼ばれる者が売防法12条の罪に該当します。
実際のオーナーや経営者の場合は、理論上は、経営者が店において売春が行われていることを認識していても売春婦に対する拘束、支配管理の状況を認識していない場合は、場所提供罪(売防法11条2項)の限度でしか処罰できません。
しかし、11条2項の法定刑は7年以下の懲役及び30万円以下の罰金であるのに対して、12条の法定刑は10年以下の懲役及び30万円以下の罰金です。警察としては経営者に対しても12条の正犯性が認められないかについて徹底的に捜査を行うようです。
一般の従業員については、店長等の手足に過ぎないのが通常で、特段の事情がない限り、12条の正犯性を認めることは困難とされ、幇助犯が成立するにとどまることが多いようです。

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