風営法・風適法違反風営法・風適法ふうえいほう・ふうてきほう

【風営法・風適法違反】(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)
風営法、風適法と略されて呼ばれることが多いですが、正式名称は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」といいます。

3.虚偽記載許可申請書等提出罪

虚偽記載許可申請書等提出罪とは

風俗営業の許可を受けようとする者は、公安委員会に
「氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名」
「営業所の名称及び所在地」
「風俗営業の種別」
「営業所の構造及び設備の概要」
「第24条第1項の管理者の氏名及び住所」
「法人にあっては、その役員の氏名及び住所」
を記載した許可申請書を提出しなければなりません。
この場合において、当該許可申請書には、営業の方法を記載した書類その他の内閣府令で定める書類を添付しなければなりません(法5条1項)

許可申請書又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者は、50万円以下の罰金に処せられます(法54条1号)

<許可申請書の様式>
  • 申請書の氏名又は名称及び住所
  • 営業所の名称、その所在地
  • 風俗営業の種別=法第2条第1項第○号の営業
  • 管理者の氏名、その住所
  • 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
  • 営業所の構造及び設備の概要
※法第2条第1項第1号から第6号までの営業の場合
  • 建物の構造、建物内の営業所の一、客室数、営業所の床面積
  • 客室の総床面積(うちダンスの用に供する部分の総床面積)
  • 各客室の床面積(うちダンスの用に供する部分の床面積)
  • 照明設備、音響設備、防音設備、その他
※法第2条第1項第7号、8号について省略
<営業の方法を記載した書類の様式>
  • 営業所の名称、その所在地
  • 風俗営業の種別=法第2条第1項第○号の営業
  • 営業時間
  • 18歳未満の者を従業者として使用することの有無(ある場合、その者の従事する業務の内容)
  • 18歳未満の者の立入禁止の表示方法
  • 飲食物(酒類を除く)の提供の有無(ある場合、提供する飲食物の種類及び提供の方法)
  • 酒類の提供の有無(ある場合、提供する酒類の種類、提供の方法及び20歳未満の者への酒類の提供を防止する方法)
  • 当該営業所において他の営業を兼業することの有無(ある場合、当該兼業する営業の内容)
※法第2条第1項第1号から第6号までの営業の場合
  • 料金
  • 料金の表示方法
  • 役務提供の内容
    • 客の接待をする場合はその内容
    • 客の接待をする場合は接待を行う者の区分(常時当該営業所の雇用されている者の人数、それ以外の者の主たる派遣元)
    • 客に遊興させる場合はその内容及び時間帯(遊興の内容、時間帯)(法2条1項2号の営業について)客室数
※法第2条第1項第7号、8号について省略

捜査上のポイント

虚偽事実の認定

営業方針を決定した経緯、その方針に基づいた営業所の構造及び設備等の準備・手配・配置状況等の許可を受けるべき風俗営業の客観的事実関係を明らかにするとともに、これらに符号する内容としなければならない許可申請書及びその添付書類の作成準備がいつから始まり、それには誰が関与したか、実際の書類作成作業を誰が、いつ、どこで行ったか、その時点での客観的事実関係と作成した書類との相違点はどれか、さらに、作成者等書類作成にかかわった者の虚偽記載の認識(客観的事実関係をどのような経緯からどの程度認識したか、作成した書類の記載内容と客観的事実関係との相違をどのような経緯からどの程度認識したか)、誰が、いつ、どこの警察署で、許可申請書等を提出したかなどについて解明することとなります。

行為者の特定

本罪は、許可申請書又はその添付書類に虚偽事実を「記載」し、かつ、これを「提出」する行為が犯罪行為となることから、これらの行為のいずれにも関与している者を本罪の行為者として特定することとなります。 従業者等の共犯者が実行行為者として関与することが多いでしょう。 経営者以外の者が実際の虚偽記載及び提出行為をしている事案にあっては、その動機及び経緯、経営者からの指示の有無、その具体的内容等を詳細に明らかにするための捜査が行われます。

4 許可不正収得罪

偽りその他不正の手段により風俗営業の許可(法3条1項)又は営業の相続、法人の合併若しくは法人の分割の承認(法7条1項、7条の2第1項、7条の3第1項)を受けた者は、2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれらの併科刑に処せられます(法49条2号)。【平成17年改正により、刑が引き上げられました】

公安委員会は、偽りその他不正の手段により当該許可又は承認を受けたという事実が判明したときは、その許可を取消すことができます。

偽りその他不正の手段
  • 誤って内容虚偽の記載のある許可申請書等を作成し、提出前、その内容虚偽事実に気付きながら、あえて当該許可申請書等を提出する行為
  • 第三者作成の添付書類の内容中に事実に反する記載があったにもかかわらずこれを奇貨とし、当該許可申請書等を提出する行為
  • 許可申請に関して審査する公安委員会の担当者又は物的許可基準に関する調査を担当する都道府県風俗環境浄化協会(法39条2項6号)の職員に対し、脅迫、暴行等の違法な行為を行うこと

いずれも「不正の手段」に該当します。

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5 許可証の掲示義務違反罪

公安委員会は、風俗営業の許可をしたときは、速やかに、申請者にその旨の通知をするとともに、許可証を交付します(法5条2項、施行規則11条2項)。
風俗営業者は、当該許可にかかる営業所の見やすい場所にこの許可証を提示しなければなりません(法6条)。

風俗営業者が、この掲示義務に反し、交付を受けた許可証を営業所の見やすい場所に掲示しないと、法第55条第1号により、30万円以下の罰金刑に処せられます。

【平成17年改正により、罰金額の上限が30万円とされました】
風俗営業者が個人経営者である場合に、許可証を掲示していなかった場合、罰せられるのは誰でしょうか?
風俗経営者です。
風俗経営者が従業員に対して、掲示する必要はないと指示を与えた場合、罰せられるのは誰でしょうか?
掲示義務違反罪の主体は、風俗営業者、すなわち、公安委員会から風俗営業の許可又は営業の相続、法人の合併若しくは法人の分割の承認を受け、かつ、当該許可に係る風俗営業を営む者です。
質問の場合のように、経営者が従業員等と共謀して掲示しなかった場合にも風俗経営者に本罪が成立します。
風俗経営者において、いったん許可証を掲示したものの、その従業者が、経営者に了解を得ずに自らの判断でこの許可証を掲示場所から外した場合、罰せられるのは誰でしょうか?
当該従業員を処罰することができます。もっとも、このように従業者が勝手に許可証を取り外した場合においても、実際には、後に、経営者がこれを認識し、直ちに掲示できたにもかかわらず、その状態を放置したのなら、経営者が行うべき許可証の掲示を自ら行わなかったとして経営者を処罰することもできます。
許可証を掲示しなければならないとは知らなかった場合に、掲示していなかったとしても罪にはなりませんか?
掲示義務を知らなくても本罪は成立します(法の不知は許さず)。

6 名義貸し罪

名義貸し罪とは

風俗営業の許可を受けた者は、自己の名義をもって、他人に風俗営業を営ませてはならず(法11条)、これに違反する名義貸し行為に対しては、無許可風俗営業罪と同じ法定刑で処断されます(法49条3号)。

風俗営業の許可を得た者が、その許可を受けた当初から営業を営まずに、名義を使用させる他の者に当該許可に係る種別の風俗営業を営ませ、あるいは、当初これを営んでいたものの、自ら営業を営むのをやめ、名義を使用させる他の者に当該許可にかかる種別の風俗営業を営ませることで、名義貸し罪が成立します。

風俗営業の許可を得た者が、自己の名義をもって、他人に風俗営業を営ませれば名義貸し罪になりますが、名義を借りて営業していた者は何罪になるのでしょうか?
自己の名義での風俗営業の許可を受けずに、風俗営業を営んだ者として、無許可風俗営業罪が成立します。
許可名義人が、いったん名義貸しをした後、相手方との共同経営者となって営業を営んだ場合でも本罪は成立しますか?
名義貸し罪は成立しますが、共同経営者となって営業を営んだ時点で名義貸し行為は終了することとなります。
許可名義人が、いったん名義貸しをした後、店長として相手方の営む無許可での風俗営業行為そのものに関与した場合でも本罪は成立しますか?
名義貸しをした時点で名義貸し罪が成立し、さらに、相手方の営む無許可での風俗営業行為という名義貸し行為とは別個の行為に加担したものと認められることから、名義貸し罪のほか、相手方の無許可風俗営業罪の共犯が成立し、両罪は併合罪になります。
法人に営業名義を貸し与えた許可名義人が、その後、その法人の代表者その他の従業者として法人の無許可風俗営業行為に関与した場合でも本罪は成立しますか?
名義貸しをした時点で名義貸し罪が成立し、さらに、当該法人の営んだ無許可風俗営業の行為者であることから、法第56条の適用により、法人の無許可風俗営業の行為者として処罰されます。
個人経営の風俗営業の場合に、従業員が許可名義を収得し、これを経営者に貸与し、経営者がこれを使用して風俗営業を営んだ場合、本罪は成立しますか?
名義貸しを行った従業員については、名義貸し罪(名義貸し後、引き続き従業者として稼働すれば更に無許可風俗営業罪の共犯)が成立します。 経営者については、無許可風俗営業罪が成立します。ただし、法第56条の適用による名義貸し罪は成立しません。

捜査上のポイント

名義貸しが行われる背景

実際の経営者において、風俗営業の許可を受けることのできない人的欠格事由(法4条1項)があるとき、売春あるいは賭博等の違法行為を行うことを目的とするとき等、自己が風俗営業の経営者であることが発覚することによる不利益を回避しようとする動機があり、このため、名義人に経営者を装わせ、その口止め料を含む名義料を支払うなどの種々の発覚防止措置を講じていることが多いです。 また、賭博、売春等の違法行為を伴う風俗営業所にあっては、口止め料、服役料等を受けている許可名義人が、実際には、自らはその営業を営んでおらず、名義貸しを行って他人に経営させているにもかかわらず、自己が経営しているものと主張し、実際の経営者の存在を隠蔽等して、あえて賭博罪等の刑事罰を受けようとする事案もあります。

捜査のポイント
  • 名義人が許可を受けた動機
  • 名義人と実際の経営者との関係
  • 当該許可に係る営業所及び営業資金の手配準備状況
  • 名義人が実際に営業を営んだことがなかった場合、その間の売上げ・利得状況、名義貸しの動機及び経緯
  • 名義人が実際に営業を営んだことがなかった場合、当初からの経営者は誰か、経営者に許可名義を貸した動機及び経緯、当初の名義貸しを受けた者と検挙時の経営者は同一か、検挙時の経営者が、風俗営業の許可が付与された当初には未だ経営にかかわっていなかった場合、どのような経緯で経営にかかわるようになったのか、それには許可名義人がかかわっているか。
  • 許可名義人が、経営者から受けた報酬状況、その報酬の趣旨(名義料、警察から検挙された場合の不利益に関する慰謝・補償料等)
  • 実際の経営者の営む営業に許可名義人がかかわっているか。名義貸しを行う約束があったとしても、なおその者が引き続き営業の主体として営業に関与し、他人に営業を営ませた段階には至っていないか。

このような諸事項を解明するため、許可名義人、無許可風俗営業の経営者及びその従業者等からは、上記諸事項について詳細に取り調べるとともに、名義貸し及び無許可風俗営業を裏付ける、許可取得関係書類、名義貸しに関する契約書、報酬支払状況を示す領収証類、営業状況を示す帳簿類などを押収、収集することとなります。

以上を踏まえた上で、

  • 許可名義を貸し与えた事実を抑えること
  • 検挙の対象となる営業所での風俗営業を誰が営んでいるかに関する証拠の収集

の2点について、捜査が進められます。

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