児童買春罪児童買春じどうばいしゅん

【児童買春罪】児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律

児童買春が発覚する経緯は少女の補導や別事件の逮捕などから始まることが多いようです。(実際の事件と判決・処分例はこちら

児童買春罪について

目的

児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律1条より
児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性にかんがみ、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利を擁護することを目的とします。

「児童」とは

児童とは、18歳に満たない者をいいます。

児童買春に当たる行為とは
1.児童
2.児童に対する性交(SEX)等の周旋をした者
3.児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者)
又は児童をその支配下に置いている者
に対し、対象を供与し、又はその供与の約束をして、
当該児童に対し性交(SEX)等をすること。

「性交(SEX)等」にあたる行為とは
  • 性交(SEX)
  • 性交類似行為
  • 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門、乳首)を触る行為
  • 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童に自己の性器等を触らせる行為

児童買春罪の弁護活動について

【逮捕前に依頼を受けた場合】

警察に事情を説明し逮捕されないように働きかけたり、逮捕がやむを得ない場合であっても、仕事に支障を来たすことのないように日程を調整したりすることもあります。

【逮捕後に依頼を受けた場合】

逮捕された後は、通常の事件であれば被害者との示談が重要です。
逮捕されたことで前歴にはなりますが、警察限りで事件が終結するか、検察官に不起訴処分としてもらうことができれば前科はつきません。
しかし児童買春罪の場合には示談が悩ましい場合があります。(詳細は後述。)
示談以外の方法としては、贖罪寄付をすることも考えられますが、これを全く評価しない検察官もいます。弁護士が検察官と連絡を取りながら、被疑者にとって有効な活動をするほうが良いでしょう。

児童買春罪の示談について

未成年者が被害者である場合、法定代理人である親と示談をすることになります。
被害者本人は、小遣い稼ぎのつもりで自分の意思で援助交際を行っていた場合であっても、何も知らない親は烈火のごとく怒るのが通常です。子供の被害を金銭で解決することに抵抗のある親も多く示談がまとまらないこともあります。また、示談ができる場合であっても高額になる傾向にあります。
さらに、被害者が援助交際を日常的に行い素行不良の友人との関係がある場合などには、自分が被害者として扱われ、示談金をもらえることを熟知しているような悪質なケースもあります。そのような場合には、高額をふっかけられることもあり得ます。

また、示談について児童買春罪特有の事情があります。
通常の事件については示談を成立させたことはプラスの情状として非常に大きな意味を持ち、示談成立をもって不起訴処分となることもあります。しかし、そもそも自分の意思で自分の体を金銭と引き換えに提供した児童が被害者と言えるかについて疑問です。示談金を渡すということは、買春代金の上乗せともいえるでしょう。そうであるので、検察官や裁判官が、示談をしたからといって刑事処分を軽減する方向に働くかは微妙なところがあります。
事実、児童買春事件について示談をするために、弁護士が検察官に対して被害者の連絡先の開示を求めたところ検察官が開示を渋った例もあります。
また、被疑者の弁護人に対して、被害者の連絡先を開示はしたものの、たとえ示談をしたとしてもそれを特別評価することはないと発言する検察官もいます。
児童買春罪の量刑相場

児童買春罪の量刑相場

児童買春をした者は、
児童買春・児童ポルノ禁止法4条で、5年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられます。

捜査では、余罪の有無が調べられます。
児童が被害者となる性犯罪では、携帯電話やパソコンの画像を調べられます。自宅のアダルトビデオ、DVDや雑誌の類なども押収され児童を対象とする性的嗜好があるのか否かについても検討されているようです。

量刑に影響を及ぼす事情
  • 示談の成否。
  • 被害者の宥恕の有無。
  • 余罪の有無。
  • 児童からの強い働きかけであったか、それとも、児童の判断能力の甘さにつけ込んでこちらから誘いかけたかなどの犯行態様。
  • 犯行後の事情。行為後に被害者やその彼氏等から恐喝まがいの脅しを受けている事案もしばしば見受けられます。

児童買春罪と淫行規制条例違反(青少年保護育成条例違反)との関係について

児童買春・児童ポルノ禁止法違反の児童買春罪と淫行規制条例違反とを比較すると、
対価の供与又はその約束がなされない性行為(SEX)等に関しては、児童買春・児童ポルノ禁止法は適用されず、淫行規制条例のみが適用されます。
しかし対償の供与又はその約束がなされて性交(SEX)等に及んだ行為を処罰する場面では、その趣旨、目的、内容及び効果において両者は完全に重複するものと考えられます。
この部分については、法律と条例とが重なり合うため、法律の規定が優先され条例の規定は効力を有しません。児童買春罪のみが成立します。
淫行規制条例が適用になる場面はないのかといえば、以下のような場面においてです。
児童買春・児童ポルノ禁止法は、児童買春について、児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、「性交(SEX)等」(性交(SEX)若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること)としているのに対し、淫行規制条例は、規制対象行為である児童に対する「淫行」、「みだらな性行為(SEX)」が都道府県により異なりうるものの、児童買春・児童ポルノ禁止法の「性交(SEX)等」よりも広い範囲で規制をしている都道府県の条例の場合には、児童買春・児童ポルノ禁止法の「性交(SEX)等」よりも広い部分について条例が効力を有すると考えられます。

児童買春と発覚の経緯

自分の体を商品として、割り切った援助交際を行う少女が被害届を出すことはあまりないかもしれません。 しかし、ひょんなところから事件が発覚し突然逮捕される場合があります。

  • 援助交際をするような少女なので問題を起こすことも多いです。少女が深夜徘徊や万引き、飲酒、薬物犯罪などによって警察に補導・逮捕され、少女の携帯電話の履歴から数年前の児童買春が発覚。
  • 少女の親が少女の携帯電話を見て、援助交際のメールを発見して警察に相談して発覚。
  • 少女が別の相手との援助交際の際にもめて児童買春につき事件化してしまい、警察に調べられた少女の携帯電話から数年前の児童買春が発覚。
  • 少女が別の援助交際の相手を恐喝し、相手方が被害届を出したために少女は加害者として警察に逮捕され、余罪を調べるうちに数年前の児童買春が発覚。

児童買春の統計

検挙件数(平成17年〜21年)

17年18年19年20年21年
児童買春・児童ポルノ禁止法
(児童買春)
(児童ポルノ)
456
(320)
(136)
714
(463)
(251)
743
(551)
(192)
761
(507)
(254)
923
(416)
(507)
青少年保護育成条例174196230437326
出会い系サイト規制法1847122367349

警察庁生活安全局の資料による(平成22年度版 犯罪白書)

児童買春・児童ポルノ禁止法違反の受理人員は、平成11年の同法施行以降、おおむね増加傾向にあり、21年は前年比21.4%増でした。

実際にあった事件&ニュース

【児童買春仲介容疑で中3少女ら逮捕】
2011.11.3 産経新聞

遊び仲間の少女を紹介して車でホテルへ送迎するなど、買春をあっせんしたグループを運営していたとして、県警少年課は2日、県内に住む公立中3年の少女(15)と、知人の千葉市稲毛区、タクシー運転手の男K容疑者(30)を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(買春のあっせん)と児童福祉法違反容疑で逮捕・送検したと発表しました。少女はグループのリーダー格で、仲間からは「社長」と呼ばれることもあったといいます。2人とも容疑を認めているとのことです。
容疑は、6月28日、少女がテレホンクラブで知り合った船橋市の男性会社員(37)=児童買春・児童ポルノ禁止法違反容疑で逮捕=に、遊び仲間の公立中3年の女子生徒(14)を引き合わせ、同市内のホテルで買春行為をさせたとしています。仕事が非番だったK容疑者が、自分の車で女子生徒を送迎。会社員が支払った2万のうち、1万2000円を少女とK容疑者で折半していたとみられています。県警によると、グループにはこの女子生徒のほか15〜17歳の少女計4人が加わっていたとのこと。いずれも逮捕された少女の遊び仲間でした。

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児童に対する性犯罪

18歳未満の児童に対するわいせつ行為は、たとえ相手方児童の同意を得ていても問題となります。(13歳未満の児童に対しては、強姦罪・強制わいせつ罪が成立するので注意。)
非常におおまかに分類して下記のようになります。それぞれ詳細頁をご確認ください。

対償を供与し(供与の約束をして)わいせつ行為
児童買春とは
対償を供与せずにわいせつ行為
青少年保護育成条例違反ページへ
児童に対する力関係を利用してわいせつ行為
児童福祉法違反ページへ
児童の裸等を撮影
児童ポルノページへ

児童買春とは

児童買春行為に対する規定は平成11年11月1日から施行された「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」に定められています。
「児童」とは 児童とは、18歳に満たない者をいいます。

児童買春に当たる行為とは
  • 児童
  • 児童に対する性交(SEX)等の周旋をした者
  • 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するもの)又は児童をその支配下に置いている者

に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、
当該児童に対し、
*性交(SEX)等をすることです。

「性交(SEX)等」にあたる行為とは
  • 性交(SEX)
  • 性交(SEX)類似行為
  • 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門、乳首)を触る行為)
  • 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童に自己の性器等を触らせる行為

児童買春の罰則規定について

児童買春をした者
(4条)
・5年以下の懲役
・300万円以下の罰金
児童買春の周旋をした者
(5条1号)
・5年以下の懲役
・500万円以下の罰金
・5年以下の懲役と500万円以下の罰金の両方
児童買春の周旋を業とした者
(5条2号)
・7年以下の懲役と1000万円以下の罰金の両方
児童買春の周旋をする目的で、
人に児童買春をするよう勧誘した者
(6条1号)
・5年以下の懲役
・500万円以下の罰金
・5年以下の懲役と500万円以下の罰金の両方
児童買春の周旋をする目的で、
人に児童買春をするように勧誘することを業とした者
(6条2号)
・7年以下の懲役と1000万円以下の罰金の両方
児童を児童買春における性交(SEX)等
の相手方とさせ又は児童ポルノを製造する目的で、
児童を売買した者(8条1号)
・1年以上10年以下の懲役
児童を児童買春における性交(SEX)等
の相手方とさせ又は児童ポルノを製造する目的で、
外国に居住する児童で略取され、誘拐され、
又は売買されたものをその居住国外に移送した日本国民(8条2号)
・2年以上の有期懲役

児童買春と示談

児童買春の被害者については、自分の体を金銭に変えるような被害者ですので、被害者自身には被害感情は希薄です。しかし、被害者が未成年であるため示談交渉は被害者の親としなければなりません。
子どもの性犯罪被害について激高する親は多く、示談が成立しないか、成立する場合にも高額になることもあります。
また、事案によっては、性行為は許したけれど、その時の被疑者の態度が気に食わなかったとか、避妊しなかったといったことに、被害者自身が激怒している場合もあります。そのような場合にも示談が困難となることがあり得ます。
性犯罪一般について示談は非常に有効であり、示談書を交わし、宥恕文言を含む嘆願書を作成してもらうことは結果に大きな影響を及ぼします。親告罪であれば、告訴取消書により不起訴処分になる(ただし公訴提起前に限り)のは当然としても、非親告罪の場合にも被害届取下げ書の作成によって、不起訴処分となることが多々あります。
しかし、児童買春罪については、そもそも買春の対価として金銭を渡しており、さらにその被害を金銭で償うということになじまない犯罪であるとされます。
たとえ慰謝の気持ちを示すため示談を成立させたとしても、不起訴処分とはなりにくい犯罪です。

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児童買春Q&A

少女に対価を支払わなければ、犯罪にはなりませんか?
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律違反にはなりませんが、相手が18歳未満であれば青少年保護育成条例によって、やはり処罰されることになります。
成人の女性の売春婦に、対価を支払って関係を持った場合は犯罪になりますか?
18歳以上の女性が相手の場合は、原則として刑罰の対象とはなりません。
児童買春をしましたが警察に見つかりませんでした。以降も発覚することはありませんか?
事件から時間が経過した後に発覚することもあります。
関係を持った少女が補導されたことにより、少女の携帯電話の履歴から1年以上も前の買春の事実が発覚して、逮捕に至るという場合もあるようです。
18歳未満の少女を相手に援助交際をした場合に、どのような経緯で発覚するのでしょうか?
少女からの被害届が出る場合は、美人局のような事例を除いてそれほど多くはありません。少女が補導されたことをきっかけに携帯電話の履歴などから警察に発覚するパターンが多いようです。

児童買春の事例紹介

男子生徒に対する性的いたずらによって、児童買春・ポルノ法違反で逮捕された事案

平成23年9月5日、32歳男性が、中学2年の男子生徒2人を性欲のはけ口にしていたとして、警視庁少年育成課に児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕されていたことが発覚しました。 被疑者の携帯電話やデジタルカメラからは、裸の少年らの動画や写真6千点以上が見つかりました。
被疑者は男子中学生に対し、ごちそうしてあげると言ってデートに誘い、公園内の屋外のベンチで、お互いの体を触りあい、さらに、被疑者は、男子生徒を裸にしてさまざまなポーズをとらせ、携帯電話のカメラ機能で動画を撮影したようです。
被害者は、以前にもこの男子生徒と、もう一人の男子生徒を誘い、車内で男子生徒2人の下半身を触った上、2人に対して、男同士で体を触り合う“プレー”を要求。デジタルカメラで動画1点と写真5枚を撮影しました。

児童についての配慮

児童については、その氏名、年齢、職業、就学する学校の名称、住居、容貌等により当該児童が当該事件に係る者であることを推知することができるような記事若しくは写真又は放送番組を、新聞紙その他の出版物に掲載し、又は放送してはならないとされています。
(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律第13条)

児童買春の統計

検挙件数(平成17年~21年)

17年18年19年20年21年
児童買春・児童ポルノ禁止法456714743761923
児童買春320463551507416
児童ポルノ136251192254507
青少年保護育成条例174196230437326
出会い系サイト規制法1847122367349

警察庁生活安全局の資料による(平成22年度版 犯罪白書)

児童買春・児童ポルノ禁止法違反の受理人員は、平成11年の同法施行以降、おおむね増加傾向にあり、21年は前年比21.4%増でした。

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