青少年保護育成条例違反青少年保護
育成条例
せいしょうねんほご
いくせいじょうれい

【青少年保護育成条例】青少年の健全な育成を図るために、青少年を保護する目的で、長野県を除く46都道府県(平成19年1月1日現在)がそれぞれ制定している条例の総称的呼称です。

青少年保護育成条例違反と他罪との関係

淫行規制条例と強制わいせつ・強姦等の罪との関係について

13歳以上の児童に対しては、暴行、脅迫を手段としてあるいは抗拒不能に乗じるなどして性交(SEX)、わいせつ行為に及んだ場合には刑法の強姦罪、強制わいせつ罪、準強姦罪の規定を適用し、暴行、脅迫にまで至らない威迫や児童の未成熟につけこんで誘惑等の不当な手段を用いたり、単に性的欲望を満足するためだけに性交(SEX)等に及んだりした場合は、淫行規制条例を適用します。

また、刑法上の強制わいせつ、強姦、準強制わいせつ、準強姦の罪については、親告罪(180条1項)とされているので、被害者や親等一定の者の告訴がなければ起訴されることはないのに対して、淫行規制条例は告訴を要件としていないものがほとんどで、告訴がなくても起訴される可能性があります。

告訴がなされなければ強姦等としては訴追出来ないことになる場合でも、非親告罪の淫行規制条例違反について処罰することは可能であり、実際適用された例も少なくありません(大阪高判昭和48.12.20ほか)。
淫行規制条例の罰則には罰金が規定されていることから、罰金がない強姦罪などではなく淫行条例違反を適用することには意味があると考えられます。

淫行規制条例と児童福祉法との関係について

児童福祉法第34条第1項第6号は、いわゆる「児童に淫行させる罪」について、
10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はこれを併科するという極めて重い処罰を規定しています(同法第60条第1項)。

児童福祉法は、18歳未満の児童の健全育成、保護をその目的とし、淫行規制条例と立法目的が共通しています。同じ立法目的での2つ法規であるため、どのような場面でどちらの法律が適用になるのかが問題となります。

「淫行」には、男女間の性交(SEX)に限られず、性交(SEX)類似行為も含まれます。
「性交(SEX)類似行為」の範囲については、裁判例が「男女間の性交(SEX)の姿態を模して行う手淫、素股その他の性交(SEX)類似行為」「同性愛的異常性欲の性欲満足の対象として手淫その他の異常性行為(SEX)」、「男色行為」のいずれをも性交(SEX)類似行為としています。

このように規制対象としている行為については重なっていますが、淫行条例は、青少年と淫行をすることを処罰の対象とするものであるのに対し、児童福祉法第34条第1項第6号は、そのような行為をさせることをも処罰の対象とするものです。

18歳未満の者とベッドの中で裸で抱き合いました。性行為(SEX)には至っていないので淫行とはいえませんよね?
淫行に該当します。
性交(SEX)自体のみならず性交(SEX)類似行為も処罰の対象であり、淫行と共に「わいせつ行為」も規制対象とされるのが通常です。性交(SEX)が完全になされなくても、その前段階の行為が性交(SEX)類似行為あるいはわいせつ行為であれば、淫行は既遂になります。
中学生同士で恋人との性行為(SEX)を持ちました。双方が18歳未満なので、お互いに罰せられてしまうのでしょうか?
罰せられないことがほとんどでしょう。
ほとんどの育成条例で、青少年に対し罰則の適用を除外しています。したがって、18歳以上の男女のみが罰せられることになります。
青少年に対し、個別の罰則の適用除外のないのは、静岡県、岡山県など5県です。

淫行規制条例と児童買春罪との関係について

児童買春・ポルノ法の児童買春罪と淫行規制条例とを比較すると

対価の供与又はその約束がなされない性行為(SEX)等に関しては、児童買春・ポルノ法は適用されず、淫行規制条例のみが適用されます。
しかし対償の供与又はその約束がなされて性行等に及んだ行為を処罰する場面では、その趣旨、目的、内容及び効果において両者は完全に重複するものと考えられます。
この部分については、法律と条例とが重なり合うため、法律の規定が優先され条例の規定は効力を有しません。淫行規制条例が適用になる場面はないのかといえば、以下のような場面においてです。児童買春・ポルノ法は、「児童買春」について、児童等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交(SEX)等(性交(SEX)若しくは性交(SEX)類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせること)としているのに対し、淫行規制条例は、規制対象行為である児童に対する「淫行」、「みだらな性行為(SEX)」が都道府県により異なりうるものの、児童買春・ポルノ法の「性交(SEX)等」よりも広い範囲で規制をしている都道府県の条例の場合には、児童買春・ポルノ法の「性交(SEX)等」よりも広い部分について条例が効力を有すると考えられます。

淫行規制条例について捜査のポイント

被疑者(被告人)の言い訳について

【「行為当時結婚する意思があった」と言えば、罪を免れられるか?】

「淫行」が成立するためには、婚姻を前提としない性行為(SEX)であることが要件です。
ということは、裏を返せば、行為当時婚姻する意思があった場合には「淫行」とはならず条例違反にならないのでしょうか?

弁護士が教える捜査上のポイント

捜査について

捜査では、余罪の有無が調べられます。
児童が被害者となる性犯罪では、携帯電話やパソコンの画像を調べられます。自宅のアダルトビデオ、DVDや雑誌の類なども押収され児童を対象とする性的嗜好があるのか否かについても検討されているようです。

捜査のポイント

婚姻を前提とする行為か否かは、「結婚」という言葉が当事者間で用いられたかどうかで決まるわけではありません。被疑者と相手方児童の年齢、社会的地位関係(上下関係の強弱)、知り合ってから性的関係を有するに至るまでの経緯、行為の場所や態様、発覚の端緒などとの関係で、罪を免れるための弁解ではないかと追及されることがあります。被疑者と相手の青少年との年齢差が小さく(19歳と17歳など)、軽率で一時的なものではあるが、行為時点では結婚意思を認めざるを得なかったという事例もあるようです。

他方、
例えば20代後半から30代の教師と13歳や14歳の中学生との関係の場合には、交際中に何度も結婚の話題をしたとしても、児童が婚姻可能年齢まで遠く、親権者からの被害届が事件発覚の端緒であれば親の承諾がありえず、被疑者が真摯に少女と結婚したいと考えていたとは認定されにくいでしょう。

【「18歳以上だと思っていた」と言えば、罪を免れられるか?】

淫行条例での処罰には、淫行当時に相手方が青少年であることについて知っている必要があります。無過失の場合に処罰しない旨の規定がある条例では、知らないことにつき過失がなければ処罰できません。

では、どのような場合に知らないことについて過失があると認められるのでしょうか?

淫行関連の捜査のポイント

具体的事案によって千差万別です。

青少年の年齢が18歳直前なのか14、5歳などはるかに若年であるのか、行為者と青少年の知り合った経緯、行為者の身分、立場などを総合して判断するしかありません。
被害者と直接会って被害者が大人びた容貌かどうかの主観を大切にする検察官もいます。
(1)17歳のキャバクラ嬢と性行為(SEX)をしました。彼女は店でお酒を飲んでいましたし、派手にメイクをした見た目から18歳以上であると思っていました。条例違反に該当してしまいますか?
(2)17歳のキャバクラ嬢と性行為(SEX)をしました。その店はもともと18歳未満の子が集まる店として話題でしたし、彼女は店ではウーロン茶しか飲んでいませんでした。また、学校での授業や部活の話を楽しそうにしていました。しかし派手にメイクをした見た目から18歳以上であると思っていました。条例違反に該当してしまいますか?

(1)は条例違反に該当しない可能性もあります。
(2)は条例違反に該当する可能性が大きいです。

キャバクラなどは、風俗業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第22条第3号により、18歳未満の者を接客に使えないはずであり、通常の客はホステスが18歳以上であるとの認識で来店すると思われます。
他にも、成年限定の会員サイトで知り合った少女との性交(SEX)でも、同じようなことが言えるはずです。
しかし、(2)の場合には、高校生であると疑えるそぶりが見られていますので、見た目が18歳以上に見えただけでは過失がないとはいえません。

有害環境浄化関連の捜査のポイント

自動販売機への収納行為を捜査するに当たっては、当該自動販売機の設置状況について、充分捜査を遂げておくことが必要です。
年齢確認等の規制が加えられていたとしても、青少年が現実に購入することができるものであったかどうかの捜査が必要。

児童販売機に、購入しようとする者の年齢を確認する装置(いわゆる年齢識別装置)が設けられていた場合に、自動販売機への収納行為を処罰することができますか?
運転免許証挿入方式による年齢識別装置を設けた場合において、岡山県と同種の規定を有する埼玉県青少年健全育成条例に関し、当該自動販売機に有害図書を収納する行為が、青少年健全育成条例違反にあたるかについて争われた裁判例が2例ありますが、いずれも青少年健全育成条例違反に当たるとしました。

取調べについて

【被疑者の取り調べ】

被疑者は取り調べられると、年齢については「18歳未満であるとは知らなかった。」と否認する者が多い一方、
恥、不名誉に思い、若しくは取調べが煩わしくて、早く終わらせたいと考え、「若いなと思った。」「本人は18歳と言っていたが、まだかもしれないと思った。」などの未必的認識を認める供述をする(そのような捜査官の誘導に屈する)被疑者も多いようです。

【青少年の取調べ】

「客に年齢を聞かれて、17歳と答えた。」「もうすぐ18歳の誕生日と言った。」などの発言については、何らかの意図(被害者として供述することで刑事事件化して示談金をもらう目的など)をもってこのような供述をする者もいます。

キャバクラなどの事例で、客が青少年と話をしていて年齢を知っていた場合や、店に18歳未満の女子ばかりであるという噂を聞いて客が来店していたなどの事情があり、相手が18歳未満であることについて知り得た状況の有無も捜査されます。

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