準強姦罪準強姦じゅんごうかん

【準強姦罪】人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した場合には、準強姦罪(178条2項)になります。

合意があると思っていても、女性からの訴えで合意がなかった強制わいせつ事件として弁護士の介入が必要となる刑事事件となることもあります。特にお酒の席では女性が酔っていたかどうかという問題も重要になります。(実際の事件と判決・処分例はこちら

準強姦罪とは

人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した場合には、準強姦罪(178条2項)になります。 ※強姦罪と異なり、暴行や脅迫がなくても成立します。

「心神喪失」若しくは「抗拒不能」とは

「心神喪失」とは、精神的な障害によって正常な判断力を失った状態をいいます。
「抗拒不能」とは、心理的又は物理的に抵抗ができない状態を言います。
抗拒不能の状態に陥っていたかどうかについては、たとえ物理的、心理的には抗拒不能といえない場合であっても、わいせつ、姦淫行為を拒否することにより発生する危難を避けるために、その行為を受け入れるほかないという心理的・精神的状態に被害者を追い込んだときには、心理的、精神的な抗拒不能に陥れた場合にあたります。
被害者(被告人)の言動の巧妙さ、被害者の年齢、性知識、家庭環境、行為の状況などの具体的事情を資料とし、当該被害者の立場に立って、心理や精神状態を基準としてなされます。

準強姦罪の事例

心神喪失による抗拒不能とされた事例
熟睡、泥酔、高度の精神病や精神薄弱等が心神喪失の例とされています

  • 第三者(共犯者を除く)の暴行・脅迫によって被害者が抗拒不能の状態に陥っているのを利用した場合(大阪高判昭和33.12.9)。
  • 被害者が日常使っている薬缶の中に睡眠剤を投入した事案(広島高裁松江支判昭和38.1.28)。
  • 甘言を弄して麻酔剤を注射して、心神喪失・抗拒不能の状態に陥れて行為に及んだ場合(奈良地判昭和46.2.4)。
  • 覚せい剤を注射して、心神喪失・抗拒不能の状態に陥れて行為に及んだ場合(福岡高判昭和54.6.13)。
  • 催眠術を利用して、心神喪失・抗拒不能の状態に陥れて行為に及んだ場合。
  • 睡眠中の女性が半覚醒状態で夫が性交(SEX)を求めてきたものと誤信して、その求めに応じる態度に出た場合(福岡高裁宮崎支判昭和31.9.15、仙台高判昭和32.4.18、広島高判昭和33.12.24)。
  • 医師ないし医師と称する者が、正当な医療行為を行うものと誤信している被害者に対して姦淫ないしわいせつ行為に及ぶ場合。…被害者が医療に必要な行為と誤信しているため、犯人の行った行為が性的行為であるとの認識に欠ける場合が多く、また、治療行為と信じていることから、心理的にも物理的にも性的行為を拒むことを期待することは著しく困難な状態であることが多いとされる。
  • 知的障害のある女性に対する姦淫行為(広島地判昭和39.2.27、福岡高判昭和41.8.31、仙台高判昭和46.8.6)。…姦淫行為について女性の同意があったとしても、当該女性が精神の障害によって、性的行為の社会的意義を理解する能力あるいは性的行為について自ら意思決定する能力がなく、ないしはこれらの能力が著しく劣っている場合には準強姦罪が成立します。
  • モデル志望の女性を全裸にして写真撮影した上で行為に及んだ場合(東京高判昭和56.1.27)。…被害者の置かれている特別の状況を利用して、当該被害者にとって抗拒不能といい得る状況を作出しています。
  • 20歳の性経験のない女性に対し、警察に依頼された医師と称して、警察が同女に売春の容疑を抱いており、また同女が性病に罹患した可能性があるなどと申し向け、驚愕と不安のあまり冷静な判断が出来ない状態に陥れ、さらに売春の容疑を晴らし、性病に罹患したかどうかを確かめるには性器に指を入れる検査をするしかないなどと申し向け、同女をして被告人の言うとおり検査を受けるしかないと思わせて抗拒不能に陥れ、検査を装い、同女の性器内に手指を挿入するなどして、わいせつの行為をし、さらに、検査の結果、性病の反応が出ている旨申し向け、翌日、同女を呼び出して警察の検査を避けるためには、被告人と性行為(SEX)をして性経験のないことを証明し、その旨警察に報告してもらって売春の容疑を晴らすほかなく、かつ性病の治療のためにも被告人の治療を受けるほかないものと同女に思わせて抗拒不能に陥れて姦淫した事案について、準強制わいせつ罪と準強姦罪の成立を認めた(東京地判昭和62.4.15)。
  • 社会福祉法人が運営する知的障害者自立支援施設の入所女性をホテルに連れ込んで性行為(SEX)をした事案。
  • 芸能事務所のスカウトを装い、声優志望であった中学1年生の少女に睡眠薬を飲ませて性行為(SEX)をした事案。
  • 就職斡旋のための身体検査を装って14歳の少女を姦淫した事案。
参考
第177条(強姦)

暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

第178条(準強制わいせつ及び準強姦)

人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
2 女子の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、姦淫した者は、前条の例による。

第179条(未遂罪)

第176条から前条までの罪の未遂は、罰する。

第180条(親告罪)

第176条から第178条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 前項の規定は、2人以上の者が現場において共同して犯した第176条若しくは第178条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

第181条(強制わいせつ等致死傷)

第176条若しくは第178条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
2 第177条若しくは第178条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人女子を死傷させた者は、無期又は5年以上の懲役に処する。
3 第178条の2の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。

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量刑 性犯罪

これまで実際に起きた事件と判決・処分例などが分かります。

性犯罪量刑準強姦

準強姦未遂

事案の概要

被疑者が酩酊して電車で寝過ごし、隣にいた酩酊した被害者女性をナンパし、一緒にホテルへ。ブラジャーをはずしたところで、被害者が泣きながらやめてと言ったため酔いがさめそのまま何もせずに帰宅

被疑者(被告人)の属性

30代男性/前科無

不逮捕・事件化阻止

事案の特徴

酩酊していたとはいえ、成人の男女が連れ添って所謂ラブホテルに入った場合、当然女性の方にも同意があったものと考えるのが普通です。女性は、たとえ酔いが覚めた時に昨夜の情事の記憶がなくとも、女性側にも落ち度があり自己嫌悪に陥るならまだしも相手方を訴えようとは思わないであろうというのが男性側の考えです。
しかし、このような事例において被害者感情を持つ女性は意外と多いものです。特にこの事案は女性が既婚者であったため、もし夫にばれてしまった場合に自己弁護のために無理矢理強姦されそうになったと嘘をつくことも十分考えられます。
しかも、性犯罪については告訴期間に制限がないため、被疑者はいつまでもびくびくしていなければなりません。
そこで、先手を打って警察署に事の仔細を綴った意見書を弁護士が作成し提出しました。これによって被疑者は逮捕されることなく通常の生活に戻ることができました。

①準強姦未遂2件/②準強姦既遂1件

事件の概要

ルームメイト募集に応じて見学のために訪問してきて各被害者に、睡眠薬を混入した酒を飲ませて強姦し、また強姦しようとした事案です。

被疑者(被告人)の属性

30代男性/前科無

懲役12年

①準強姦/②準強制わいせつ

事件の概要

被害者らを、被告人経営の飲食店に連れて行き、睡眠導入剤を服用させ抗拒不能状態に陥らせ、①共犯者と、被害者を順次姦淫/②被害者の乳房を弄ぶなどしてわいせつな行為をした事案です。

被疑者(被告人)の属性

前科無

懲役4年6月

事案の特徴

共犯者は、①300万円、②100万円でそれぞれ示談を成立させ、不起訴処分となりました。

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