強姦・強制わいせつ致死傷罪ちししょうざい

【強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪】[刑法178条の2] 2人以上の者が現場において共同して第177条又は前条第2項の罪を犯したときは、4年以上の有期懲役に処する。

合意があると思っていても、女性からの訴えで合意がなかった強姦事件として弁護士の介入が必要となる刑事事件となることもあります。夫や恋人などの意向で告訴に踏み切ることもあります。(実際の事件と判決・処分例はこちら

強姦致死傷罪・強制わいせつ致死傷罪とは

強制わいせつの際に被害者に死傷の結果が生じた場合に強制わいせつ致死傷罪が、
強姦の際に被害者に死傷の結果が生じた場合に強姦致死傷罪が成立します。

被害者の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせてわいせつ行為をした準強制わいせつの場合も、同様に姦淫した準強姦の場合も、被害者に死傷の結果を生じさせた場合にはそれぞれ準強制わいせつ致死傷罪、準強姦致死傷罪が成立します。

法定刑について

強制わいせつ致死傷罪(準強制わいせつ致死傷罪)の法定刑は、無期又は3年以上の懲役となります。

強姦致死傷罪(準強姦致死傷罪)の法定刑は、無期又は5年以上の懲役となります。

強姦しようとしてナイフで脅したところ、被害者の抵抗が激しかったため強姦をあきらめました。しかし、被害者が抵抗した際にナイフで怪我を負いました。強姦未遂罪でしょうか?
強制わいせつ・強姦の行為が未遂に終わっても、致死傷の結果が発生すれば強制わいせつ致死傷罪・強姦致死傷罪が成立します(最判昭和23.11.16)。

強姦致死傷罪と強姦罪との相違点

強姦罪・準強姦罪 強姦致死傷罪・準強姦致死傷罪
告訴の要否 親告罪(告訴が要件) 非親告罪(告訴不要)
裁判の方法 職業裁判官による通常の裁判 裁判員裁判
法定刑 3年以上の有期懲役 無期又は5年以上の懲役
集団強姦の場合の法定刑 【集団強姦罪】
4年以上の有期懲役
【集団強姦致死傷罪】
無期又は6年以上の懲役
どの程度の怪我を負わせたら強姦致傷罪になるのでしょうか?
【強姦致死傷罪が認められた事例】
  • 加療約1週間を要する顔面打撲傷等(最決昭38.6.25)。
  • 陰部付近の軽度の炎症(高松高判昭29.1.12)。
  • 格別の医療行為を要しない全治3日程度の打撲傷(東京高判昭31.10.9)。
  • 全治2日間の皮膚剥離(名古屋高判昭32.1.30)。
  • 加療5日間を要する皮下溢血(東京高判昭39.4.7)。
  • 被害者の乳房の上部にキスマークをつけた事案(東京地判昭45.10.22)。
強姦した相手(被害者)が処女だったので、処女膜が破れました。処女だったことを知らなかったのですが、強姦致傷罪になりますか?
強姦致傷罪が成立します。
処女膜裂傷は被害者が処女であれば性行為(SEX)に当然伴うものではありますが、この場合にも強姦致傷罪が成立します(最判昭24.7.12、最判昭25.3.15、最決昭34.10.28等)。
犯人が被害者に対して怪我を負わせたのではなく、被害者自身の行為によって怪我をした場合でも強姦致傷罪になるのでしょうか?
強姦致死傷罪になることがあります。
【強姦致死傷罪が認められた事例】
  • 共犯者からの更なる姦淫行為を逃れるために、被害者が田舎道を逃走した際に転倒するなどして負傷した場合(最決昭46.922)。
  • 姦淫行為の際に被害者が傍らの鉄条網に触れて負傷した場合(広島高判岡山支判昭32.2.19)。
  • 脅迫に使用されたナイフを被害者が遠くに投げ捨てた際負傷した場合(東京高判昭37.4.25)。
  • 被害者が逃走中に崖から転落して死亡した場合(水戸地裁土浦支判昭37.9.20)。
  • 被害者が逃走のために海中に入って溺死した場合(福岡高裁那覇支判昭49.4.24)。
当該事案の具体的状況の下では、被害者が抵抗のためにとる行動として、犯人が通常予測できる範囲の行動であること等を理由として強姦致死傷罪の成立を認めています。
死姦は強姦罪になるのでしょうか?
死体損壊罪(刑法190条)になることはあっても強姦罪にはなりません。 ただし、女性を強姦する目的で暴行を加えその女性を死亡させ、その直後姦淫したという場合には、姦淫行為が女性の死亡後であってもこれを包括して強姦致死罪とした判例があります(最判昭和36.8.17)。

強姦致死傷罪(準強姦致死傷罪)については、裁判員裁判になります。

裁判員裁判では、従来の職業裁判官のみの場合よりも重い判決が出されているようです。

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量刑 性犯罪

これまで実際に起きた事件と判決・処分例などが分かります。

性犯罪量刑強姦致傷

強姦致傷

事件の概要

被害者(14歳)をホテル客室に連れ込み、押し倒して馬乗りになり、顔面を平手及び手拳で殴打した上、ゴムハンマーで殴打して強姦しようとしたが、被害者が抵抗したため目的を遂げなかった。その際、被害者に全治約2週間の傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

40代男性/罰金前科1犯

判決・処分

懲役3年 執行猶予5年

事案の特徴

62万円で示談が成立しています。

強姦致傷

事件の概要

被疑者宅で、被害者に包丁のような刃物を突き付け、被害者の頸部を腕で締め付けた上で強姦。その際、被害者に加療1週間を要する傷害を負わせた事案です。

被疑者の属性

60代男性/前科無

判決・処分

懲役5年

強姦致傷

事件の概要

被疑者宅で、継子である就寝中の被害者に対し、ハンマーで頭部を数回殴打し、逃げ回ろうとする被害者の服をつかんで、さらに頭部をハンマーで殴打、ハンマーの柄が折れるや、台所から2枚のまな板を持ってきて、被害者の背部を殴打、「ベッドに戻れ、横になれ」と言い、ベッド上で仰向けに横たわった被害者に対し、「足を開け」などと言い、強姦。その際、被害者に加療約4カ月を要する傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

50代男性/被告人は中国国籍/前科1犯

判決・処分

懲役9年

事案の特徴

被告人は執行猶予中の犯行で、犯行について全部否認しました。

強姦致傷

事件の概要

飲食店従業員に対し、頸部を両手で強く締め付けるなどの暴行及び脅迫をしてカウンターから客席フロアーに引きずり出して姦淫し、被害者に全治約3週間の傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

前科6犯(うち同種3)

判決・処分

懲役7年6月

事案の特徴

被告人は酔余の上の犯行でした。

①住居侵入・強姦致傷/②公然わいせつ

事件の概要

①被害者宅の無施錠の玄関ドアから侵入し、被害者の頸部を両手で絞めた上、その顔面等を両手で数回殴打し、「抵抗すると殺すぞ」と脅迫して強姦しようとしたが、被害者に抵抗されたため強姦の目的は遂げることができなかった。その際、暴行によって被害者に全治約3週間の傷害を負わせた事案です。
②電車内で、自己の陰茎を露出した事案です。

被疑者(被告人)の属性

30代男性/前科無

判決・処分

懲役4年

①住居侵入・強姦致傷/②住居侵入・強盗強姦

事件の概要

①無施錠の窓から侵入・被害者の頭部顔面等を手拳で殴打するなど暴行脅迫して姦淫しようとしたが、被害者が悲鳴をあげて抵抗したため姦淫行為は未遂に終わった。その際、被害者に加療約1週間の傷害を負わせた事案です。
②金品窃取の目的で無施錠の玄関ドアから侵入し、被害者の顔面等を足蹴・手拳で殴打する等の暴行、現金3,000円及びキャッシュカード1枚ほか4点在中の財布1個(時価5,000円相当)を強取し、被害者の脇腹、腹部に果物ナイフを突き付けるなどして連行、駐車場裏及び被告人宅で姦淫し、被害者に全治2カ月間の傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

同種前科1犯(うち累1)

判決・処分

懲役10年

事案の特徴

被告人は、前刑仮釈放から2年後の犯行でした。

住居侵入・強姦致傷

事件の概要

無施錠の玄関ドアから侵入・入浴中の被害者を脅迫暴行して姦淫しようとしたが、被害者が抵抗して逃げ出すなどしたため姦淫については未遂。被害者に全治約2週間の傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

同種前科1犯/同種前歴も有

判決・処分

懲役4年

事案の特徴

被告人は、執行猶予中(住居侵入・強姦未遂で懲役3年、猶予5年)の犯行でした。
被告人は、250万円で示談が成立しました。

①住居侵入・強姦致傷/②住居侵入・強姦・強盗/③住居侵入・強姦未遂・窃盗/④住居侵入・集団強姦致傷

事件の概要

①被害者宅に、被害者が玄関ドアから室内に入る隙をついて押し入り、後方から抱きついて口を塞ぎ、「騒いだら殺す」などと脅迫し強姦しようとしたが、偶然来訪した被害者の交際相手に制圧されたため、強姦目的を遂げなかった。その際、被害者の背中にかみつくなど全治10日の傷害を負わせた事案です。
②被害者宅に、被害者が玄関ドアから室内に入る隙をついて押し入り、後方から抱きついて口を塞ぎ、「声を出すな、殺すよ」などと脅迫した上強姦。さらに「金は全部出して、殺すよ」などと脅迫し、現金4,000円を強取した事案です。
③被害者宅に、被害者が玄関ドアから室内に入る隙をついて押し入り、後方から抱きついて口を塞ぎ、「騒いだら殺すよ」などと脅迫し、強姦しようとしたが、被害者が生理中であったため目的を遂げず、現金8,000円を強取した事案です。
④共犯者と、被害者宅の玄関及び窓からそれぞれ侵入し、被害者の後方から口を塞ぎ、押し倒して手足を押さえつけ共同で強姦。その際に、被害者に全治約1週間の傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

20代男性/被告人は韓国国籍/前科無

判決・処分

懲役18年

①わいせつ略取・集団準強姦/②わいせつ略取・集団準強姦

事件の概要

①②共犯者1名とともに、いわゆるナンパにより知り合った被害者A及びBとカラオケ店に入室し、同所で同女らが注文した飲み物に睡眠導入薬を入れ、それぞれその飲み物を飲ませ、抗拒不能の状態にさせた上、同女らを姦淫目的でラブホテルに連れ込み、わいせつ目的で略取するとともに、さらに1名の共犯者が合流した後、抗拒不能の状態にある被害者らを共同で姦淫した事案です。

被疑者(被告人)の属性

20代男性/前科無

判決・処分

懲役7年

事案の特徴

①は被害者A、②は被害者Bについての起訴。他の共犯者らと被害者との間ではそれぞれ示談が成立しました。

集団準強姦

事件の概要

共犯者と共に、被害者をナンパしてホテルに連れ込み、被害者に酒を飲ませて酩酊させ姦淫しようとした事案です。

被疑者(被告人)の属性

20代男性/前科無

判決・処分

不起訴処分(起訴猶予)

事案の特徴

被疑者の勾留期間中に130万円で示談を成立させ、被疑者は身柄解放され、不起訴処分となりました。
被害者は成人女性ですし、酒に酔っていたといえナンパに応じてホテルまで同行しているのであって、被疑者としてはまさか訴えられるとは思わなかったとのことです。
不起訴処分とはなりましたが、被疑者が有名大学に通う大学生であったため世間の耳目を集め実名報道がされてしまいました。これによって大学を退学処分となり、せっかく決定していた内定も台無しになってしまいました。

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性犯罪量刑強制わいせつ致傷

強制わいせつ致傷

事件の概要

屋外駐車場で、被害者に対し、背後から口を左手でふさぎ、「殺すぞ」などと言って脅迫し、着衣を手でつかむなどして駐車中の普通乗用車内に被害者を押し込もうとし、頭髪及び着衣を手でつかんで引っ張り、頭部を拳で数回殴打するなどの暴行脅迫を加え、わいせつな行為をしようとしたが、被害者が両足を激しく動かすなどして抵抗したため、目的を遂げず、その際、暴行等により被害者に全治約14日間を要する傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

60代男性/前科2犯(うち罰金1)

懲役2年

事案の特徴

示談不成立。
被告人は自首したことから、減軽がなされました。

強制わいせつ致傷

事件の概要

路上で、被害者に対してわいせつ行為を行い、その際に傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

20代男性/前科無

懲役2年6月

事案の特徴

示談不成立。

強制わいせつ致傷

事件の概要

雑居ビル内で、被害者の左腕をつかんで仰向けに押し倒し、体の上にのしかかるなどの暴行を加えた上、さらにその左胸を着衣の上から右手でわしづかみにして強くもむなどし、その際、被害者に全治約2週間を要する傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

30代男性/同種前科2犯・同累1

懲役4年6月

事案の特徴

被告人は、前刑終了後2年10月での犯行でした。
被告人は、酔余の上の犯行でした。

住居侵入・強制わいせつ致傷

事件の概要

無施錠の玄関ドアから侵入し、入浴中の被害女性を仰向けに押し倒して馬乗りになり、その乳房をつかみ陰部を弄ぶなどの暴行を加え、被害者に全治10日間の傷害を負わせた事案です。

被疑者(被告人)の属性

前科無

懲役2年6月

事案の特徴

被告人はお詫び金30万円支払済みです。

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