• よくある男女トラブルセクハラセクハラトラブルせ く は ら

    【セクハラトラブル】一般的な意味として、セクハラ(セクシュアルハラスメント)とは「相手方の意に反する性的な言動への対応により、仕事を行う上で一定の不利益を与えたり、就業条件を悪化させること」をいいます。
  • セクハラのトラブル事例実際に起きたトラブル事例と結果について

    • CASE.1

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      挨拶代りに女性社員の髪を撫でたり、お尻に軽く触れたりという行為を日常的にしていたところ、女性社員たちから陰で「セクハラ課長」と呼ばれているらしいことを知りました。ほどなくして会社から、セクハラを理由に課長職を解任されました。就業規則には降格に関する懲戒処分の規定がないので、根拠のない無効な懲戒処分ではないでしょうか?

    • CASE.2

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      同期の男性社員と2人で新人OLをからかったところ、イケメンの同期はお咎めなしなのに、自分だけがセクハラと言われた。自分だけがセクハラになるのでしょうか?

    • CASE.3

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      部下の女性と付き合っていましたが別れることとなりました。円満に別れられたと思っていましたが、突然上司から呼び出され、元彼女から私によってセクハラ被害を受けたとの申告があったとして査問にかけられました。社内恋愛は仕事がし辛くなるからと、付き合っていた当時その事実を隠していたため、私が恋人同士であったと主張しても聞き入れられず、元彼女に対して強姦をしたとして解雇処分となりました。納得のいかない処分を覆すことはできますか?

    • CASE.4

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      履歴書を提出した会社の面接を受けたものの不採用。しかし、その後面接官からデートの誘いが頻繁にきます。履歴書から携帯電話の番号を知ったことはほぼ間違いないが、雇用関係にないのでセクハラにはならないのでしょうか?

    • CASE.5

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      同性の上司がいやらしい視線で見てきます。でも、同性だからセクハラなんてないですよね?

    CASE.1こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    挨拶代わりに女性社員の髪を撫でたり、お尻に軽く触れたりという行為を日常的にしていたところ、女性社員たちから陰で「セクハラ課長」と呼ばれているらしいことを知りました。ほどなくして会社から、セクハラを理由に課長職を解任されました。就業規則には降格に関する懲戒処分の規定がないので、根拠のない無効な懲戒処分ではないでしょうか?

    「降格」について

    以下の2通りがあります。
    (1) 人事権にもとづく人事異動として行われる場合
    …管理職者が、成績不振または適格性が欠けているという理由でヒラ社員に降格されるような場合は、人事権行使の一部であって、会社の裁量にゆだねられる処分です。
    (2) 懲戒権に基づいて、懲戒処分として行われる場合
    …管理職者が背信的行為を行ったために制裁を加える意味でヒラ社員に降格させる場合は懲戒処分に該当します。
    懲戒処分として行われる場合には、必ず就業規則などの根拠が必要です。

    セクハラを理由とする降格が人事権によるものか懲戒処分かが問題となります。

    【CASE.1】について、この男性は、女性社員たちから陰で「セクハラ課長」と呼ばれる程、目に余る行為をしており疎まれていました。
    降格について、セクハラ行為に対する懲罰的な意味も多少は含まれているのかもしれませんが、それ以前に、課長として部下を統率する能力に欠けていると会社が判断したため、人事異動として管理職を解任したものと考えるのが妥当です。
    人事権の行使であれば、就業規則の根拠規定は不要であり、会社はいかようにも降格を行うことが出来ます。

    会社としては、セクハラが存在している状態を放置していると、損害を受けた女性社員から不法行為の責任を追及されることにもなりかねません。
    会社がこのような事態を回避するために、実際に上司が部下にセクハラを行っているような場合に、適格性を欠くと判断した上司を解任するのは当然の措置といえるでしょう。
    さらに、今回の例でいえば、会社内の風紀・秩序を著しく乱す行為ということで懲戒解雇になる可能性もあり得ます。

    セクハラと懲戒解雇について

    問題点

    ①セクハラの程度に応じ、他の懲戒事由との均衡を図りながら慎重かつ公正に行わなければならないという一般的要請があり、その処分の有効性が争われる危険があること
    ②温情的な処分の結果、問題が再発した場合は、適切な処置を怠ったとして企業が強く責任を問われることにもなりかねないこと

    裁判例の動向

    企業のセクハラ防止義務との関係が問題となった裁判例として、
    福岡地判平成4.4.16「福岡セクシュアル・ハラスメント事件」があります。
    ここでは、いわゆる性的風評を流したこと等のいわゆる環境型セクハラが問題とされましたが、企業が加害者に3日間の自宅謹慎(賞与から5万円の減俸もあった)を命じたにとどまったことが職場環境調整義務違反の一要素とされています。

    参考
    人事院の「懲戒処分の指針」(平成12.3.31 職職68号、平成17.3.31改訂)より
    「セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動)」

    ア 暴行若しくは脅迫を用いてわいせつな行為をし、又は職場における上司・部下等の関係に基づく影響力を用いることにより強いて性的関係を結び若しくはわいせつな行為をした職員は、免職又は停職とする。
    イ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞、性的な内容の電話、性的な内容の手紙・電子メールの送付、身体的接触、つきまとい等の性的な言動(以下「わいせつな言辞等の性的な言動」という。)を繰り返した職員は、停職又は減給とする。この場合においてわいせつな言辞等の性的な言動を執拗に繰り返したことにより相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患に罹患したときは、当該職員は免職又は停職とする。
    ウ 相手の意に反することを認識の上で、わいせつな言辞等の性的な言動を行った職員は、減給又は戒告とする。
    (注)処分を行うに際しては、具体的な行為の態様、悪質性等も情状として考慮のうえ判断するものとする。

    参考判例

    セクハラ加害者への懲戒解雇等の措置の有効性の存否が真正面から争われた判例

    福岡地判 平成9.2.5「西日本鉄道事件」
    (観光バス運転手が未成年のバスガイドに対して行ったわいせつ行為に関する事案)

    肉体的接触を伴う悪質な事案で懲戒解雇が有効とされました。
    ▽事案の概要
    A交通所属のバス運転手X男は、3泊4日の貸切勤務に従事した際、バスガイドに対して、無理やりキスする、下着をたくし上げ乳房を舐める等のわいせつ行為(セクハラ行為)を行ったとして懲戒解雇されたため、解雇権の濫用に当たると提訴しましたが、当該懲戒解雇が有効とされました。
    ▽判決要旨
    X男のバスガイドに対するわいせつ行為(セクハラ行為)の事実を認定した上で
    1.X男の行為は、貸切勤務に同乗する運転士とバスガイドの信頼関係を阻害するとともに、バスガイドの業務一般に対する不安を増大させ、また表面化すれば被告会社の名誉・信用を低下させるものである。さらに被害バスガイドが未成年であること等、情状は極めて重く、就業規則第60条、(4)、(15)、(第59条(8))に該当する。
    2.交通事故とわいせつ行為(セクハラ行為)は、被害法益、行為態様が異なり、抽象的にその処分の軽重を論ずるべきではなく、個々の具体的な行為に基づき解雇権の濫用に該当するのかどうか判断すべきである。
    X男の行為は、わいせつ行為という悪質性に加え、運転士とバスガイドの信頼関係を阻害し、ひいては被告会社の名誉・信用を損なうものであり、その責任は重く、被告会社がX男を懲戒解雇したことは解雇権の濫用には該当しない。
    と判断しました。

    福岡地判 平成10.12.7「コンピューター・メンテナンス・サービス事件」
    (派遣社員の下着に触れるなどの肉体的接触を伴う強制わいせつ的行為に関する事案)

    肉体的接触を伴う悪質な事案で懲戒解雇が有効とされました。
    ▽事案の概要
    (株)Bサービス(以下「被告会社」という。)から(株)C商店(以下「商店」という。)に派遣されていたコンピューター技師X男(原告)は、商店において、商店従業員A女に対し、肩を揉みながらブラジャーに手をかける、一目につかない場所に引きずり込み抱きつき胸を触る、残業後消灯の際偶発を装い抱きつく等の強制わいせつ等の行為(セクハラ行為)を行ったとして、被告会社を懲戒解雇されたため、解雇権の濫用であり解雇は無効である等と提訴しましたが、当該懲戒解雇が有効とされました。
    ▽判決要旨
    1.X男のA女に対する強制わいせつ的行為(セクハラ行為)の事実を認定した上で1.商店の社長自らが被告会社に赴いて苦情をいわなければならない状況となっており、X男の行為は、商店の職場内の風紀を著しく乱し、ひいては被告会社の名誉・信用を著しく傷つけたことは否定できない。また、商店は被告会社から指定された就業場所であるから、商店においても被告会社の指揮命令に服さなければならないことはもとより、懲戒処分も含めて被告会社の就業規則が適用される。よって、X男の一連の行為は、懲戒解雇の事由である就業規則第59条(10)、第60条(4)、(17)、(18)に該当する。
    2.被告会社は、商店からの苦情を受け、A女の上司を通じ事実調査を行うとともに、X男からも事情聴取し、さらに親会社の人事担当者、顧問弁護士にも相談し検討を重ねた経緯がうかがえる。
    3.A女の上司から強制わいせつ的行為(セクハラ行為)であるとの指摘を受けてから被告会社の事情聴取までには相当の期間があり、弁明の機会も反省の態度を示す機会もあったと認められる。
    以上から、X男に対する懲戒解雇処分に解雇権の濫用は認められず、懲戒解雇処分は有効である。

    大阪地判 平成12.4.28「大阪観光バス事件」
    (観光バス会社の運転手の取引先女性添乗員などの胸等に触れたりホテルに誘うなどの行為に関する事案)

    肉体的接触を伴う悪質な事案で懲戒解雇が有効とされました。

    東京地判 平成12.5.31「新宿山吹高校事件」
    (高校教員の洋上研修中の女性教員への肉体的接触や性的な言動等を行った事案)

    肉体的接触を伴う悪質な事案で戒告処分および免職処分が有効とされました。

    東京地判 平成12.8.29「F製薬事件」
    (自身がセクハラを理由に部下を退職勧奨したことがある管理職による部下の女性に対する性的な内容のEメールやデートへの誘い等の性的言動を行った事案)

    普通解雇が有効とされました。
    ▽裁判所の判断
    裁判所は、原告が、部下の女性社員らを度々食事やデートに誘ったり、業務にかこつけて2人の女性社員と個別面談を行い交際を迫ったり、担当者でない部下に出張を命じて同行しようとしたりしたことを認定した上で、「被害を受けた者の多さ、Xの地位、セクハラに対する被告会社の従前からの取り組みとし、その中でXが置かれていた立場、X自身セクハラ行為をした部下に対する退職勧奨を行った経験を有し、自己の言動の問題性を十分認識し得る立場にあったこと、被告会社の調査に対し真摯な反省の態度を示さず、かえって告発者捜し的な行動をとったことなども考慮すると、被告会社が通常解雇を選択したことには合理性が認められ、被告会社が懲戒権あるいは解雇権を濫用したとまではいえないというべきである」と判示して、普通解雇を有効と判断しました。

    東京地判 平成21.4.24
    「支店長宴会等セクハラ解雇事件」

    セクハラを理由とする解雇が無効とされました。
    ▽事案の概要
    被告会社は、各種電気機器・装置及び部品の販売等を業とする株式会社であるところ、Xは、昭和49年4月1日、被告会社の親会社である株式会社Aに入社し、その後、平成12年9月30日付で同社を退職して、平成12年10月1日に被告会社に転籍するとともに、被告会社の東京支店支店長に就任しました。Xは、その後、平成15年6月26日、被告会社の取締役に就任しました。
    ▽裁判所の判断
    裁判所は、Xの言動は宴席等で女性従業員の手を握ったり、肩を抱くという程度のものにとどまっており、本件宴会での一連の行為も、いわゆる強制わいせつ的なものとは一線を画すものというべきものであること、本件宴会におけるセクハラは、気のゆるみがちな宴会で、一定量の飲酒のうえ、歓談の流れの中で調子に乗ってされた言動としてとらえることもできる面もあること、全体的にXのセクハラは、一目につかないところで秘密裏に行うというより、多数の被告会社の従業員の目もあるところで開けっぴろげに行われる傾向があるもので、自ずとその限界があるものともいい得ること、前記セクハラ行為の中で、最も強烈で悪質性が高いと解される本件「犯すぞ発言」も、女性を傷つける、たちの良くない発言であることは明白であるが、真実、女性を乱暴する意思がある前提で発言されたものではないこと、Xは被告会社に対して相応の貢献をしてきており、反省の情も示していること、これまでXに対してセクハラ行為についての指導や注意がされたことはなく、いきなり本件懲戒解雇に至ったものであることを認定しました。

    その上で、「Xの前記各言動は、女性を侮辱する違法なセクハラであり、懲戒の対処となる行為ということは明らかであるし、その態様やXの地位等にかんがみると相当に悪質性があるとはいいうる上、コンプライアンスを重視して、倫理綱領を定めるなどしている被告会社が、これに厳しく対応しようとする姿勢も十分理解できるものではあるが、これまでXに対して何らの指導や処分をせず、労働者にとって極刑である懲戒解雇を直ちに選択するというのは、やはり重きに失するものと言わざるを得ない(被告会社は、直ちに懲戒解雇を選択することなく、仮に、Xを配転(降格)することによって、東京支店から移動させたとしても、セクハラを訴えた5名は、退職せざるを得ない状況となるであろうし、万が一、退職しなかったとしても、今度、常にXにおびえ続け、平穏に仕事をすることはできない状態となるのであって、本件において、Xに対して、懲戒解雇をもって臨む以外の処分は考えられない旨を主張するが、被告会社には、倫理担当者もおり、かかる被害者を守るシステムは構築されているし、仮に、Xに報復的な行為をする兆しがあるのであれば、そのときにこそ、直ちに懲戒解雇件を行使すれば足りるのであって、Yの前記主張は、採用できない。)。」と判示して、懲戒解雇を無効と判断しました。

    CASE.2こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    同期の男性社員と2人で新人OLをからかったところ、イケメンの同期はお咎めなしなのに、自分だけがセクハラと言われました。自分だけがセクハラになるのでしょうか?

    刑法(その他特別法)上の問題

    不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求に応じなければならない可能性があります。

    人から言われた言葉、されたこと・・・。どこまでなら笑えて、どこから不快に感じるかには、個人差があります。
    誰が加害者であるかは、被害者の気持ち1つで決まります。あなただけを加害者とした新人OLの訴えは正当なものとされることがあります。あなたに、新人OLに対して性的ないやがらせを言ったりしてからかった事実があるのなら、あなたの行為はセクハラと認定されることもあります。
    また、不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求にも応じなければならない可能性はあります。

    CASE.3こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    部下の女性と付き合っていましたが別れることとなりました。円満に別れられたと思っていましたが、突然上司から呼び出され、元彼女から私によってセクハラ被害を受けたとの申告があったとして査問にかけられました。社内恋愛は仕事がし辛くなるからと、付き合っていた当時その事実を隠していたため、私が恋人同士であったと主張しても聞き入れられず、元彼女に対して強姦をしたとして解雇処分となりました。納得のいかない処分を覆すことはできますか?

    会社が従業員を解雇する場合には、主に以下の解雇制限があります。これに反して解雇されたのであれば、その解雇は無効となります。

    労働契約法16条

    解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効となります。

    労働基準法19条

    労働者が業務上負傷したり、病気になった場合に、その療養のために休業する期間及びその後30日間と、産前産後の女性が第65条の規定によって休業する期間及びその後30日は解雇できません。

    不当に解雇された場合、解雇処分の無効確認、労働者であることの地位確認の労働審判、訴訟を提起することとなります。
    あわせて未払い賃金の支払い請求および名誉毀損に対する損害賠償請求をすることができます。

    また、労働者であることの仮処分申請についても申し立てます。
    これは、いずれの紛争解決手段を用いたとしても、そして労働者が解雇無効を訴え、自分が未だ会社の社員であるということを申し立てる「雇用契約上の権利を有する地位にあることを確認する」旨主張した場合でも、判決等の一定の決着をみるまで相当な時間を要します。
    その間、労働者は無給になってしまいます。そこで、仮の地位を定める申立が行われることが少なくありません。
    この仮処分申請は、手続の迅速性という観点から、申請後3回〜4回程度、当事者双方から事前に主張をまとめた準備書面を提出させ事情を聞き、おおよそ2〜3カ月の審理期間で決定がされます。
    仮処分申請に労働者が勝った場合には、会社は解雇した労働者を正規の労働者と同様に扱わなければならなくなります。
    つまり、仮処分の決定が出てから本訴の判決が決定する間、労働の提供を受けていないにもかかわらず、給与も賞与も従前どおり支払わなければならなくなるのです。
    この仮処分の決定は、本訴で覆ることも十分考えられますが、仮にそうだったとしても、当該労働者がそれを生活に費消してしまっていれば、手元に残っている金銭はなく、実際問題として回収の見込みは付かないものと考えられます。

    実際にあった事件&ニュース

    【信州大のセクハラ解雇は無効 相当性欠くと長野地裁】2008.10.24 共同通信

    信州大教育学部(長野市)の女子学生にセクハラ(性的嫌がらせ)行為をしたとして諭旨解雇処分を受けた元准教授(37)が、解雇処分の無効確認と名誉毀損に対する慰謝料550万円を求めた訴訟の判決で、長野地裁は24日、社会的相当性を欠くとして解雇処分は無効と認めましたが、慰謝料の請求は棄却しました。近藤ルミ子裁判長は判決理由で「女子学生に精神的ショックを与えたことは認められる」とした上で、「学生の立場や態度を検討すると諭旨解雇処分は重すぎる」などと指摘しました。
    この問題は、信州大が平成19年6月、学生に対するセクハラ行為があったとして元准教授を諭旨解雇処分。元准教授は「学外のプライベートな時間、場所で、強要はなかった。セクハラには該当しない」と主張していました。

    CASE.4こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    履歴書を提出した会社で面接を受けたものの不採用の通知を受けました。
    しかし、その後、面接官からデートの誘いが頻繁にきます。履歴書から携帯電話の番号を知ってかけてきているのだと思うのですが、一人暮らしの住所も書いてあるし心配です。

    名前や生年月日などの個人情報は法律で取扱い方などが定められており、慎重に守らなければなりません。
    面接の際に提出する履歴書には、個人情報が満載です。
    名前や生年月日はもちろん、住所や電話番号、既婚か未婚かといった情報が書かれ、顔写真まで添えられています。採用担当者であれば、当然、入社希望者の履歴書に目を通すことになりますが、それはあくまで採用のために限られます。本人の許可を得ずに、採用以外のことに個人情報を利用することは許されません(個人情報の保護に関する法律16条)。
    面接官から頻繁に連絡がくることについて、あなたが、訴えれば、この会社は違法行為をやめるように大臣から勧告を受ける可能性があります。そして勧告に従わなければ、懲役や罰金の可能性もあるのです。
    面接官本人ではなく、会社に事情を話し注意してもらう方がよいでしょう。

    ちなみに、あなたと面接官との関係は、就職活動中の一私人と会社の関係ですので、セクハラやパワハラは成り立ちません。

    しかし、電話の内容が人を脅すようなものであれば脅迫罪(刑法222条)、繰り返しかけてくる場合はストーカー行為にあたる可能性もあります(ストーカー行為等の規制等に関する法律2条)。

    また、しつこい電話は不法行為とみなされ、慰謝料の支払いを命じられる場合もあります(民法709条、710条)。

    CASE.5こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    同性の上司がいやらしい視線で見てきます。でも、同性だからセクハラなんてないですよね?
    −同性の上司が、さりげなさを装って身体に触れてきたり、やたらとお茶や食事に誘ってきます。この前は、更衣室で着替えていたら、「かわいい下着ね。見せて。」と言って、私の下着に手をかけられました。飲みに行こうという誘いを断ったら、「じゃあ鹿児島支店に行ってもらおうかしら」なんて言い出す始末です。
    女同士だし、かわいい後輩と思って接してくれているのだと思って我慢するしかないのでしょうか?−

    相手が同性でもセクハラは成立します。
    セクハラの定義は、「相手が嫌がる性的な言動をし、その対応によって、仕事面での不利益を与えたり、就業環境を悪化させたりすること」とされています。
    だれかのある行為や発言がセクハラかどうかを判断する基準は、被害者にあたる人にあります。加害行為は異性によるものに限りません。

    あなたが同性の女性上司の行為や発言を不快に感じているのですから、女性上司のしたことは立派なセクハラといえます。
    あなたは、女性上司の不法行為(民法709条)に対し、慰謝料などを請求することもできます。

    実際にあった事件&ニュース

    【福岡地裁 70歳代会長が24歳社員にセクハラ行為】2000.11.10

    福岡市内の造園会社で働いていた独身男性(24)が、勤務先の70歳代の男性会長から性行為(SEX)を迫られるなど、度重なる性的いやがらせ(セクシュアルハラスメント)を受けた揚げ句に解雇されたとして、会社と会長を相手に、解雇無効の確認と300万円の慰謝料などを求める訴訟を福岡地裁に起こしていることが9日分かりました。
    「性暴力裁判全国弁護士ネットワーク」によると、米国では同種の訴訟で1998年、連邦最高裁が「同性間でもセクハラは成立する」との見解を示していますが、日本国内での「同性間セクハラ」訴訟は初めて。
    訴えによると、男性は97年に入社。ところが昨年8月から今年4月にかけ、会長は男性を伴って出張した宿泊先で「最初に面接に来たときから気になっていた」「昔から男同士の関係はあった」などと性行為(SEX)の相手になるよう要求。先に寝入った男性のベッドに忍び込み、「じっとしておき」と言って体に触るなどの行為を計4回繰り返したといいます。
    日頃の会話もセックスや自慰行為の話題を持ち出すことが多く、「最初に面接にきたときから初恋の女の子に似ていて気になっていた」と告白されたこともあったといいます。
    男性は、その度に大声で叫ぶなどして拒絶。その怒りを自分の日記に記していましたが、今年4月下旬、日記を会社の机に置き忘れたところ、中身を見た会長から「あの日記は何だ」などと非難されて帰宅を命じられ、翌日付で解雇されたといいいます。
    男性は「解雇は会社の実質的オーナーである会長のセクハラ行為を隠ぺいするためのもので、解雇権の乱用」と主張。「名誉とプライドを傷つけられ、人生の希望すら失った」と訴えました。
    会長側は(1)卑猥な話はしたが、男同士ならよくある一般的な雑談程度(2)腰のあたりを触ったことはあるが、性行為(SEX)を迫った事実はない(3)解雇したのは、男性に仕事上の能力がなく将来上達の見込みもないためなどとする答弁書と準備書面を提出。全面的に争う構えを見せています。

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