• よくある男女トラブル婚姻・その他[基礎知識] 婚姻・その他こんいん・そのた

    婚姻の要件法律で婚姻を禁じられている必要条件(要件)を、一般的に婚姻障害(障碍)もしくは婚姻阻止要件と呼びます。
    婚姻を有効に成立させるためには婚姻障害のないことが要件となります。
  • 婚姻・その他についての基礎知識

    法律婚主義

    我が国は法律婚主義を採用しているので、法的に保護される男女の関係とは、もちろん婚姻関係(法律婚)です。婚姻関係については、法は明文でさまざまな規制や保護をしています。
    しかし、法は婚姻以外の男女の関係についてはこれを規制ないし保護する明文の規定をおいていません。
    しかし、婚姻以外の男女関係について一切保護されないというわけではなく、判例や学説は、早くから、一定の婚姻外の関係についても法的な保護を与えるべきであると考えてきました。
    婚姻外の男女の関係として保護される典型としては、①内縁、②婚約があります。

    婚姻の要件

    法律で婚姻を禁じられている必要条件(要件)を、一般的に婚姻障害(障碍)もしくは婚姻阻止要件と呼びます。
    婚姻を有効に成立させるためには婚姻障害のないことが要件となります。

    婚姻障害(障碍)

    ①婚姻適齢

    男は18歳、女は16歳にならなければ結婚することはできません。
    適齢に達していないのに、誤って受理されたときは婚姻が取り消されますが、取消しまでに適齢に達すれば、もはや取消しはできなくなります。

    ②重婚の禁止

    既に結婚している人が、別の人との婚姻届を出して更に婚姻することはできません。
    婚姻届の提出の際に添付する戸籍抄本で明らかであるため、あまり起こりません。
    ただし、夫が勝手に妻との協議離婚届を提出して、ほかの女性との婚姻届を出す場合に起こり得ます。一方が勝手に提出した離婚は無効なので、後婚は重婚となり、取消事由となります。

    ③再婚禁止期間

    女性に限り、前婚の解消または取消しの日から6ヵ月を経過しなければ、再婚できません。
    生まれてくる子が、前婚の子か後婚の子か判然としないという事態を防止する目的です。例外があります。

    ④近親婚の禁止

    直系血族(祖父母、父母、子、孫)同士、または3親等内の傍系血族(兄弟姉妹・おじ・おば・甥・姪)の間では婚姻が禁止されています。
    ただし、養子と養方の傍系血族(養親の子や孫)との間の婚姻は禁止されていません。なお、特別養子の場合は、実方(養子の自然血族)の親族とは、縁が切れていますが、近親婚の禁止には触れます。
    誤って届けが受理された場合にも取り消されます。

    ⑤直系姻族の婚姻禁止

    直系姻族(配偶者の父母や祖父母)とは婚姻が禁止されています。これは、配偶者が死亡して婚姻関係終了届を提出した後も禁止されます。また、特別養子縁組によって親族関係が終了いている場合も同様です。
    誤って届けが受理された場合にも取り消されます。

    ⑥養親子関係者間の婚姻禁止

    養子、その配偶者、直系卑属(子、孫、曾孫)またはその配偶者と、養親またはその直系尊属とのあいだの婚姻も禁止です。この場合は、離縁によって親族関係が終了した後であっても、婚姻は禁止されています。
    誤って届けが受理された場合にも取り消されます。

    未成年者の婚姻には父母の同意が必要

    未成年者の婚姻は、婚姻適齢に達している場合でも、父母の同意が必要です。養子に行った子の場合は、養父母の同意を得る必要があります。
    ただし、父母の一方が同意しないときは、他方だけでよく、父母の一方が行方不明であったり、死亡したり、精神障害などで意思表示ができないときも他方だけでかまいません。また、両親の双方が行方不明であったり、死亡しているようなときは、その未成年者は同意なしに婚姻することができます。
    もっとも、父母の同意がないのに誤って受理された場合は、そのまま有効とされます。

    実際にあった事例と成立している罪名

    婚姻その他についての基礎知識について触れたところで、今度は実際にあった事例と、それに伴う罪名について紹介します。

    同棲(解消)トラブル

    婚約して同棲していたにもかかわらず、彼の両親からの一方的な反対のために婚約が破棄されました。彼の両親に対して慰謝料請求することはできますか?(詳しくはこちら)

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    婚約についての法的保護

    1.婚約者双方に将来結婚する債務を負わせること

    婚約者は、互いに、将来の婚姻の実現に向かって努力すべき義務を負います。この義務は、婚約という契約から発生する義務です。しかし、この義務は、一般の民事上の債権債務とは異なって、義務を強制的に履行させることはできない道徳的色彩の強い義務です。
    憲法24条は、婚姻は、両性の合意によってのみ成立すると謳い、婚姻自由の原則を掲げています。結局、婚約の履行は、そのような民法上の請求権があるわけではなく、任意の履行に任されているということができます。
    債務を負わせるとはいいつつも、婚姻するかどうかは当事者の自由意思によってのみ決せられるべきことであって、いったん婚約をしたからといって、結婚についての自由を制限することはできません。

    2.不当な破棄に対しては損害賠償を請求が可能であること

    婚約の不当な破棄について損害賠償が発生することは古くから、判例の認めるところでもあります(大判大正4.1.26)。
    しかし、あくまでも結婚することそれ自体は当事者の自由意思のみに基づいてなされなければならないため、一方的な解消それ自体を直ちに非難することはできません。
    婚約破棄の損害賠償責任を安易に認めてしまうと、損害賠償を課すという形で間接的に婚姻を強制してしまうことになってしまうため、慎重な判断が求められます。
    婚約を破棄することは原則として自由であるべきなので、損害賠償は、婚約を破棄したこと自体について発生するのではなく、その破棄の態様において社会的な相当性を欠くような場合に発生するのであり、それは、「不当な」破棄として不法行為としての損害賠償を認めるべきです。

    債務不履行構成、不法行為構成のどちらの認定例もあります。
    裁判例によると、「債務不履行としての婚姻予約不履行又は婚姻予約による生活関係ないし期待権の侵害として故意による不法行為に基づく損害賠償義務を負う。」と認定して、両構成を選択的競合的に解しています(大阪地判昭和58.3.28)。
    問題は、—将来婚姻をなすべき合意がどの程度の確実性があれば法的保護に値するといえるか—です。

    厳密に言うと、婚約は、「結婚しよう」「はい。結婚しましょう」という口約束だけで成立します。
    ただし、婚約も契約の一種ですから契約として拘束力を持たせるには、誠心誠意真剣な結婚の約束である必要があります。
    婚約として認められやすいのは、たとえば、結納をした、結婚指輪を渡した、式場の予約をした、互いの両親へ挨拶をして食事を済ませた、などの公然とした事情がある場合です。
    ただし、具体的事案を検討するほかないものの、「公示性」は婚姻予約成立の真実の意思の推断のための一資料にすぎないと考え、「確実な合意」を余りに厳格に要求する立場ではないのが判例の傾向のようです。

    統計
    【婚約破棄による慰謝料】
    判決年月日事案の概要慰謝料認容額
    (請求額)
    算定の理由
    大阪地判
    昭和42.7.31
    挙式、生まれる子の教育につき、一度は相手の信仰を了解しながら、翻意して改宗を求め、ついに婚約を破棄した事案。30万円
    (30万円)
    破棄に正当な理由がなく、特に被告が大学出身で37歳にもかかわらず相手の宗教の挙式につき適切な確認をしなかったこと、他に原告が婚姻準備のために退職したこと(その後復職)、被告の給与月額が4万円であること、原告が婚約破棄による衝撃から一時家出したことなどを総合考慮。
    東京地判
    昭和44.10.6
    被告は内縁の妻と同棲中であることを秘して連夜のごとく原告に言葉巧みに言い寄って情交関係を迫り、結局婚姻予約が成立したが、原告が妊娠の事実を打ち明けると、被告は冷たい態度を取り、原告はやむなく妊娠中絶の手術を施した。他に被告は内縁の妻と別れるためなどと称して、原告から25万円を借り受けたりした。200万円
    (300万円)
    欠席裁判(擬制自白)原告主張の事実関係を総合考慮。
    京都地判
    昭和45.1.28
    原告は看護婦で被告は歯科医師。原告は家庭の貧困を理由に被告の求婚を拒否したが、被告は意に介さず結婚を約し、その後約2年同居。その間原告は被告の子を2度懐胎し(一度目は流産、二度目は被告の要求で中絶)、被告が一度同居を拒否した後再度同居したものの、原告がこの間入信した宗教を止めないからとして、被告は懐胎中の原告を追い出した。原告はやむなく郷里に帰り被告の子を分娩した。100万円
    (100万円)
    被告が原告に対し信仰を理由に婚姻予約を破棄したこと、被告の求婚・同居の経緯・中絶の要求、被告が、不安定な生活を送っている中妊娠していた原告を追い出したこと、同棲期間も相当長時間であること、原告は貧困な実家で子供一人を抱えて将来自分一人で生活の資を嫁がなければならない境遇に置かれたこと、年齢的にも子供を抱えて新たな結婚の機会も非常に乏しいことなどを総合考慮。
    福岡地小倉支判昭和45.12.4見合い後、2ヶ月半交際し、この間、媒酌人を依頼し、結納、結婚式の各日取りも決めたが、被告は原告の性格が物足りないなどとさしたる理由もないのに、結婚の意志を失い、被告の健康を偽って理由として結婚しない旨通知し、婚約破棄。35万円
    (不明)
    原告が婚約破棄により悲嘆にくれ、数日間寝込んだり、鼻血を出したり、10数日間不眠に悩まされるなどし、ついに会社を退職したこと、被告は大会社に勤務月収約6万3千円であること、原告の職業、収入、婚約破棄の経緯その他諸般の事情を考慮。
    徳島地判昭和57.6.21原告(女性)と被告(男性)は仲人によって紹介された20日後、正式に見合いをし、約2週間で結納を交わし婚約、約3カ月後に結婚式を行うことを約束し、原告は結婚式の1カ月前に勤務先を退職。その間被告は原告の嫁入り道具を種々指示し、原告は買い求めて準備したが、結婚式の約1週間前に被告は何の理由も告げずに、仲人を通じ電話一本で本件婚約を破棄。態度が強硬だった被告の母親も共同不法行為者として訴えられた。400万円
    (400万円)
    婚約を、その結婚式の直前、諸準備がすべて整い、嫁入道具について被告自らあれこれ要求しこれを原告にのませていたのに、嫁入り道具が運び込まれる前日に、かねて原告の容姿等に抱いていた不満に抗しきれず、他人を介し、電話一本で断定的に破棄したことの他各事実を考慮すると、両者の間に性的交渉がなかったこと、婚約成立までの日数が短かったことなどに配慮しても、認定額が相当である。
    大阪地判昭和58.3.8原告は25歳で、日本で生まれ育った韓国籍の女性。原告と被告は一度は結婚式場を予約するにまでなった後破談になり、その後再び被告は原告と結婚の意志を固めたが、結局原告が交際を断った。原告は、その後韓国人男性と結婚式を挙げたが、婚姻届もしないまま結婚を解消した。原告と被告は再び交際して、挙式間近になったが、被告が結婚に躊躇して案内状を発送しないでいるうちに、嫁入道具の搬入・同居問題・金銭問題などから、双方が親族も巻き込んで言い争いになって双方の関係が悪化。原告の父親が被告を殴打後、被告は結婚式場の予約等を全て取消し、婚約破棄を通告した。150万円
    (500万円)
    弁護士費用
    30万円
    (60万円)
    婚約に至る経緯、挙式直前の婚約破棄、原告の年齢、原告被告双方の家族のかかわり合い、被告の年齢及び社会的地位その他の事情を総合考慮。
    大阪地判昭和58.3.28原告(女性)と被告(男性)は同じ会社の同僚。原告と被告は結婚を前提にして交際し、被告は同和地区出身であることを告白した原告に同情したが、被告の父はそれを理由に結婚に対し猛烈に反対。その後被告の両親には知らせず原告方で結納の儀式をしたが、再度被告は父から激しく反対され、次第に被告は原告との婚姻が重荷になって婚約解消を申し入れた。被告の両親も共同不法行為者として訴えられた。500万円
    (1,000万円)
    弁護士費用
    50万円
    (100万円)
    原告は、いわれなき世のしがらみの因習を被告に理解してもらって婚約したにもかかわらず、被差別部落の出身であることを理由に被告の父親等から婚姻に激しく反対され、その結果、被告にも裏切られたもので、被った精神的苦痛も痛烈だったと察せられること、さらに、本件がもとで原告が退職せざるを得なかったこと、その他諸般の事情を考慮。
    東京地判平成6.1.28原告、被告とも23歳で、高校3年生の時に親密になり、その後3年半後同居し、原告は家事を分担して主婦としての責任を果たしていたところ、被告はA女と知り合い、お互い好意を寄せ合うようになり、ドライブをしたりしていたが、被告の行動に不審をもった原告に問い詰められ、「A女を本気で好きだから原告とは暮らせない」と述べた。原告は、母に電話をしてこの話の経緯を伝えたところ、即日母は、原告を連れて帰郷した。100万円
    (300万円)
    原告と被告との同棲に波風が立つまでの原告に落ち度はないこと、A女に関する被告の言動は責められるべきだが、第三者が見て2人の同棲を解消しなければならないほどにA女との関係が深くなっていたとは認められず、原告及び原告の母に問題の解決を急ぎ過ぎた点もあること、原告が同棲先から引き上げた翌日被告の父から引っ越し費用等として86万円の支払を受けていること、原告と被告の交際の経緯、もともと婚約が現に結婚まで至るについては不安定な要素もはらんでいたこと等の事情を総合考慮。
    【不貞による慰謝料】
    判決年月日事案の概要慰謝料認容額
    (請求額)
    算定の理由
    横浜地判
    平成3.9.25
    原告とA男(甲大学非常勤講師)は、昭和46年に結婚し子供は2人ある。乙会社の従業員であった被告は、乙会社に英語指導に来ていたA男と知り合い、情交関係を結ぶようになった。被告は、当初妻子の存在を知らなかったが、妻子の存在を知ってからも情交関係を継続していた。その後不貞関係が原告の知るところとなり、3年ほど関係を中断したが、その後情交関係を復活させ、原告とA男は完全に別居するに至った。300万円
    (300万円)
    (ただし、原告とA男の別件離婚訴訟で和解し、500万円の慰謝料を原告が受け取っていることから、本件精神的損害は全額填補されているとして、判決主文は請求棄却である。)
    被告が妻たる原告の存在を知ってからもなお、情交関係を結び、その後3年間中断したものの、再び継続したこと。被告とA男の不貞関係が主たる原因で婚姻関係が破綻したこと。
    東京地判
    平成4.12.10
    原告とA男は、平成元年に結婚し、子供が一人ある。被告は、職場(百貨店)の上司であるA男と平成3年頃から肉体関係を持ち、約8カ月程度不貞を続けた。A男の姉の助力もあり、夫婦関係の修復がはかられ、原告がA男を宥恕したが、被告に対し慰謝料請求をした。50万円
    (500万円)
    不貞についての主たる責任は、不貞をはたらいた配偶者にあり、(特段の事情がない限り)不貞の相手方の責任は副次的であること、本件は、A男がどちらかといえば、主導的役割を果たしていたと認められること。婚姻関係の破綻の危機が、不貞関係のみではないこと。既に、被告とA男の不貞関係は解消され、夫婦関係は修復していること。被告が退職したりして、社会的制裁を受けていること。
    名古屋地判
    平成4.12.16
    原告(女性)は昭和61年3月頃から被告(男性)が経営する美容院に勤務して同62年8月に退職したが、被告は原告に在職中の貸金の返済を迫るとともに、被告と情交関係を持つなら1日5万円の割合で返済したことになると執拗に申し向けて、情交関係を持った。昭和63年6月原告が別の男性と再婚後も被告は関係を継続するとともに、平成元年4月頃原告に被告の美容院に勤務させその後も情交関係を持たせた。100万円
    (300万円)
    被告が原告に対し、原告が被告から金員を借り受けていたことや美容院の経営者の地位を利用して情交関係を反復求めたものであること、その他本件に現れた事情を総合考慮。
    最判
    平成8.3.26
    原告とA男は、昭和42年に結婚したが、性格の不一致から昭和59年には夫婦関係が非常に悪化し、A男は、昭和62年に購入したマンションに転居して原告と別居していた。その後、A男はホステスをしていた被告と知り合い、被告は、A男が妻と離婚することになっていると聞き、A男と同棲するに至った。0円
    (不明)
    配偶者と第三者が肉体関係を持った場合において、夫婦の婚姻関係が当時破綻していたときは、特段の事情がない限り、第三者は不法行為責任を負わない。
    東京地判
    平成10.5.29
    原告とA女は昭和61年1月に結婚し二子をもうけていたが、夫の口数が少ないことや長時間の通勤などのために、一緒に過ごす時間が少ないことなどに不満を持ち、平成7年10月頃からスナックのアルバイトを始めた。そうした中遅くとも平成9年8月頃にはA女は被告と節度を超えた中になり、同月16日に二子を連れて被告宅に出たきり原告の元に戻らなかった。150万円
    (1,000万円)
    被告は二度の結婚歴があり男女の関係、夫婦のあり方についてよく理解するところでありながら、享楽的な生活を好むA女を誤導し、2人の子のある夫婦を破綻させたこと、その他本件に表れた一切の事情を総合考慮
    東京高判
    平成10.12.21
    原告とA男は、昭和36年に結婚し、子供が一人ある。被告は、勤務先甲証券でA男と知り合い、昭和47年初め頃から男女関係を結ぶようになった。A男は、昭和54年に甲証券を退職し、A男の父親の住職の地位を引き継いで、被告と完全に同居するに至った。被告は、A男に原告という妻があることを熟知していながら、A男の再婚した妻として振る舞っていた。A男は、原告に離婚の申し入れをした。200万円
    (2,000万円)
    原告が、被告とA男との妊娠を避けず、A男の実家に再婚した妻と称して入り込んだことに対し、強い憎しみを抱いており、また、家庭を守るためA男との離婚を最後まで望んでいなかったのに、被告とA男の肉体関係、同棲の継続によって離婚をやむなくされたことに深刻かつ多大な精神的苦痛を被っていること。原告とA男の子が離婚訴訟の進行状況及びその結果に対する不安感によって、平成8年12月頃からノイローゼが急激に悪化したこと。
    大阪地判
    平成11.3.31
    原告とA男は、昭和50年に結婚し、2人の子がある。被告は、A男と同じ小学校に勤務する公立学校の教師であり、昭和54年頃から交際するようになった。平成9年5月にA男は家を出て原告と別居するようになった。(なお、居住先は原告には教えていないが、被告は知っている。)被告はA男との結婚を希望している。300万円
    (1,200万円)
    不貞期間が長期にわたり(20年近く)、最終的にA男と原告が別居するに至ったこと。不貞関係になるに当たって、被告とA男のいずれが主導的であったか明らかでないことなど。不貞の経過、態様及び影響等について、証拠上認められる諸事情を総合考慮。
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    内縁について

    内縁とは

    内縁とは婚姻の意思をもって共同生活し、社会的にも夫婦と認められているものの、婚姻届を提出していないため、法律上の正式な夫婦と認められない男女関係です。
    内縁は、法律上の夫婦とほぼ同様の権利義務を持ちます。同棲は男女の一時的な共同生活ですので、法律上の夫婦や内縁のような権利義務は生じません。
    同棲しているだけでは、内縁関係とは認められません。

    内縁が認められるためには

    ①夫婦としての生活共同体を形成していること、②お互いに婚姻意思が存在するが、婚姻届が提出されていないこと
    以上の2点が必要です。
    さらに、同居期間の長さや、挙式を挙げた、新婚旅行に行った、互いの親族の冠婚葬祭などの集まりにはいつも2人で顔を出す、年賀状は連名で出している等の実態から判断されます。
    夫婦としての生活共同体の形成が要件となるため、内縁関係が認定される場合のほとんどは同じ住居で生活している事例ですが、裁判所は例外も認めており、福岡地裁昭和44年8月26日判決は、内縁の夫と妻がそれぞれ職業と自宅を持っていた場合でも、「同居生活の1つの形態」として内縁関係の成立を認定しています。

    内縁の夫婦は、法律上の夫婦とほぼ同様の権利義務を持ちます。

    【内縁関係継続中】
    • 同居・扶養の義務
    • 法定財産制の適用(婚姻費用の分担・日常家事債務の連帯責任・夫婦のいずれに属するかが明らかでない財産の共有の推定など)

    また、社会保障関係の法律では、実際上の生活関係を尊重する趣旨から、
    一般に「配偶者(婚姻の届出をしなくとも事実上の婚姻と同様の関係にある者を含む)」と規定されていることが多く、内縁配偶者に遺族補償等の受給権を認めています。

    • 労働基準法の遺族補償(施行規則42条1項)
    • 健康保険法の被扶養者としての保険給付(1条2項)
    • 国家公務員共済組合法の遺族年金(2条1項2号イ)
    【内縁関係の解消】
    • 財産分与※通説、判例(最判昭和38.2.1)は、内縁を婚姻に準ずる関係として法的保護の対象とし、財産分与の規定を内縁解消(生前離別の場合)の場合に類推適用することを認めています。
    • 有責の相手に対する慰謝料請求
    • 子供がいる場合には、認知請求及び養育費請求

    法的責任の根拠について

    内縁関係を不当に破棄した者について、判例上古くは婚約不履行責任と解釈していましたが、現在は不法行為責任と構成することもできるようです(最判昭和33.4.11)。

    【婚姻と異なり内縁では認められない法的効果】

    *夫婦同氏/*成年擬制/*配偶者相続権/*子の嫡出性(内縁の子は非嫡出子となります)
    内縁は、婚姻と異なり戸籍による公示がないため上記については認められません。

    関連Q&A

    内縁では相続権は認められないとしても、内縁解消につき財産分与が認められる以上、一方が死亡した場合に、死亡によって内縁関係が解消したとして、財産分与を求めることはできませんか?
    判例は残された者について、内縁関係にとどまる限り相続人とはならず、相手方が遺した財産について分与を認めることはできないとしています(最判平成12.3.10)
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    内縁解消の慰謝料について

    家庭裁判所において調停が成立した内縁関係の慰謝料(財産分与を含む)については、100万円以下が全体の49%を占め、同棲期間としては1年未満というのが、全体の46%を占めています。
    調停が成立した事案ですので、お互い譲歩して決めた額です。
    一方の不当な内縁破棄の事案について訴訟で争う場合には、これよりも高額となるのが通常でしょう。

    重婚的内縁関係について

    内縁には、婚姻届を提出していないために法律婚にないという通常の内縁だけでなく、内縁関係の一方又は双方に配偶者がいながら、別の相手と内縁状態にある、重婚的内縁関係の場合があります。

    「お互い離婚が成立したら結婚しよう」「必ず妻と別れる、別れたら正式に結婚しよう」と約束し、内縁生活に入ったとしても、一夫一婦制の社会では、原則として公序良俗に反する関係であり、保護に値しないとされます。

    ただし、重婚的内縁関係であっても例外的に権利主張が認められる場合があります。これについて、かつては、妻帯者の男性と内縁関係に入った女性について、相手の妻の死後もその男性と内縁関係を続けていた事案で、男性の妻が死亡するまでは法律上の保護を期待し得なかったとして、妻の死後についてのみを対象として、限定的に慰謝料請求を認めました(東京高判昭和32.7.11)。
    また、原則として保護の対象外であるとし、例外的に配偶者のある側の違法性が著しく大きいと評価できる場合には、慰謝料請求がされる(最判昭和44.9.24)という判断でした。

    平成になってからの裁判例は、法律婚が形骸化して事実上の離婚状態にあり復活の見込みのない事案については、内縁関係に相応の法的保護が与えられるべきであるとして、類推適用を認めているようです。

    具体的には、①法律上の婚姻が永らく断絶して復活の見込みもなく形骸化している、②内縁の方が実質上の夫婦関係として相当の期間公然と共同生活が継続している、③重婚的内縁に至ったことについて、財産分与・慰謝料を請求する側に主たる責任がない、などが認められる場合であるようです。

    参考

    財産分与の規定の類推適用を認めた主な審判例

    大阪高決昭和57.4.5

    重婚的内縁関係の解消に伴う財産分与請求権を被保全権利として家庭裁判所がした審判前の保全処分(不動産および賃借権に対する処分禁止の仮処分並びに債権仮差押え)が抗告審において維持されました。

    東京高決昭和54.4.24

    夫の不貞行為により不和となり、夫は妻に土地建物を贈与して別居し、その不貞相手と内縁関係が15年ほど続いたが、重婚的内縁関係の妻が内縁関係を解消させた事案について、夫からの財産分与請求を認めました。

    福岡家小倉支審昭和52.2.28

    妻が子を残して家出した後、夫と重婚的内縁関係になり、約12年間家事及び夫の実母の看護と子の養育をし、夫の資産増加に貢献した事案。

    内縁関係を認めなかった近時の判例

    最判平成16.11.18

    約16年間にわたり仕事の面で相互に協力をし、一緒に旅行をすることもあったという関係につき、その期間中は住居を異にし、それぞれが自己の生計を維持管理し、共有する財産もなく、2人の子供の養育につき一方は一切かかわりを持たず、両者は意図的に婚姻を回避し、かつ上記関係から離脱してはならない旨の合意もなかったこと等から、婚姻及びこれに準ずるものと同様の存続の保証を認める余地はない、としました。

    内縁関係破棄の慰謝料について

    内縁関係を不当に破棄した場合の慰謝料算定の要素は基本的には離婚の場合と同じく、①内縁期間、②内縁破棄の事情、③相手方の支払能力、④子供の有無、などが主要なものとなっています。

    離婚と比べた場合の慰謝料額については、内縁関係破棄の慰謝料に関する登載判例が少ないため比較は難しいものの、近時出された判例は、重婚的内縁関係の時期があるにもかかわらず、内縁期間だけを考慮するならば婚姻期間が同程度の一般的な離婚事件よりも高額であり、事例によってはかなりの高額慰謝料が認定され得ることを示しています。

    平成10年の婚姻外男女関係事件の解消に伴い、財産分与・慰謝料の支払いが取り決められた総数は194件、平均額は221.9万円。同棲期間別では、1年未満が60件で146.3万円、1年以上20年未満が16件で364.4万円などとなっています。

    ただし重婚的内縁関係は含まれていません。
    1年未満の件数が多いのは、新婚家庭を始めるに際しての双方の(親を含めた)出費の清算が含まれているからだと思われます。

    【婚姻外男女関係の慰謝料(財産分与)の支払額別(同棲期間別)】(平成10年度)
    同棲期間総数支払額支払平均額(万円)
    30万円以下50万円以下100万円以下200万円以下400万円以下600万円以下1000万円以下1000万円を超える総額が決まらない
    総数194172047473613851221.9
    1年未満605717191011--146.3
    1年以上44651456611-208.9
    3年以上2532754121-248.0
    5年以上282329921--219.6
    10年以上1611145121-364.4
    20年以上9--1311-21540.6
    不詳12-252111--196.3
    【内縁破棄による慰謝料】
    判決年月日事案の概要慰謝料認容額
    (請求額)
    算定の理由
    大阪地判
    昭和40.12.6
    夫(26)と妻(31)が挙式後入籍しないでいたところ、夫が知能や性格故に家庭内で軽んじられていることや、夫の両親となかなか別居できそうにないことに妻が不満を持って、10カ月後一方的に別居して関係を解消した事例。10万円
    (40万円)
    慰謝料額は平成7年の消費者物価指数に換算すると、392,157円
    内妻が自分本位に身勝手に別れたこと。
    福岡地判
    昭和44.8.26
    内縁の妻が内縁の夫より8歳年上の再婚で、子が2人いることから内縁の夫の父親が結婚に反対していたところ、内縁の夫も父親に同調して内縁関係から6ヶ月で関係を解消した事例。25万円
    (150万円)
    慰謝料額は平成7年の消費者物価指数に換算すると806,452円
    ①内縁関係と破棄に至った事情、②内縁の夫が資産(家一棟)を有している。減額要素:①肉体関係の発端が原告の誘惑的な言動にあった、②交際当初原告に夫がいて重婚的内縁関係だった、③交際当初火遊びのつもりだった、④交際期間
    大阪地判
    昭和44.12.1
    寺の住職である内縁の夫が、内縁関係から15年経った頃より内縁の妻とは別の女性を住まわせ情交関係を続け、内縁の夫の先妻の子を迎えてからは内縁の妻に対し暴力や寺を出て行けといわんばかりの仕打ちをし、内縁から20年を経て内縁の妻が寺を出て内縁関係を解消した事例。50万円
    (300万円)
    慰謝料額は平成7年の消費者物価指数に換算すると1,612,903円
    内縁と破棄に至った事情。原告が無資産、無収入、歩行及び言語障害を伴う病身の老人であること。
    減額要素:被告は田畑3筆の他個人資産はなく、収入がないこと。
    東京地判
    平成3.7.18
    妻子ある男性と未婚の女性が約30年間内縁関係を続けたが、男性が一方的に生活費を支払わなくなり、内縁関係を破棄した事例。男性は内縁開始から20年後に離婚したが、同時にさらに別の女性との間にも子をもうけていた。1,000万円
    (10億)
    ①共同生活の期間が30年にも及ぶこと、②内縁関係の破棄が専ら内縁の夫の意向でされたこと、③内縁の妻に責められるべき事情があるとは窺えないこと。
    京都地判
    平成4.10.27
    妻子ある男性が、未婚の女性(交際開始時19歳)に対し、妻と別れて結婚すると申し向けて、その言葉を信じて肉体関係を持った女性が男性の子を懐胎、出産し、内縁生活を始めたが、内縁開始から2カ月後突然内縁関係を破棄した事例。330万円
    (うち弁護士費用30万円)
    (2,269万円)
    ①男性が妻とは別れるといいながら交際を重ね、妊娠させ、一旦は内縁に入り子を出産させながら出産直後に一方的に別れたこと、②原告の年齢、③内縁の期間。
    減額要素:原告が被告に妻子があることを知りながら交際したこと。
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