• よくある男女トラブル性行為せ い こ う い

    【性行為トラブル】性行為に関連するよくある男女トラブルを、
    実際に起きた事例とともにまとめています。
  • 性行為トラブル事例 [妊娠]実際に起きたトラブル事例と結果について

    • CASE.1

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      関係をもった女性が妊娠したと言っているが、本当に妊娠しているのか?

    • CASE.2

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      関係をもった女性が自分の子を妊娠した。中絶費用を支払わなければならないのか?

    • CASE.3

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      関係をもった女性が自分の子を妊娠し、既に中絶したと連絡してきた場合、中絶費用を支払わなければならないのか?

    • CASE.4

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      付き合っていた女性から妊娠したから産みたいと言われた場合、産ませない方法はありますか?

    • CASE.5

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      愛人が妊娠した際に、手切れ金として500万円を渡し、今後一切金銭上の請求はもちろん、認知の請求もしない旨の誓約書を書かせました。しかし1年後に突然、認知してくれなければ裁判を起こすという一方的な手紙が届きました。誓約書がある以上、応じる必要はありませんよね?

    • CASE.6

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      女性から子どもを産んだ後で、責任をとってくれと言われたら?

      →①認知の訴えをはねのける方法はありますか?

      →②養育費の請求をはねのける方法はありますか?

    • CASE.7

      こういう時 どうなる?

      こういう時どうなる?

      関係をもった女性が妊娠したので産みたいと言ったため、頭に血が上ってお腹を蹴りつけたところ流産してしまいました。赤ちゃんに対する殺人罪になるのでしょうか?

    実際に起きたトラブル事例と結果について

    CASE.1こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    関係をもった女性が妊娠したと言っているが、本当に妊娠しているのか?

    刑法(その他特別法)上の問題

    本当は妊娠していないにもかかわらず、妊娠したと言って中絶費用を要求しているのであれば、
    また、本当は別の男性の子供を妊娠しているにもかかわらず、あなたの子を妊娠したと言って中絶費用を要求しているのであれば、

    詐欺罪(刑法246条)が成立します。

    既に支払ってしまっていれば詐欺既遂罪。
    金品の要求をされているだけでまだ支払ってはいない場合であれば詐欺未遂罪。

    妊娠しているか否かの証明方法は?

    市販の妊娠検査薬でも検査可能です。妊娠検査薬は、妊娠すると尿の中に出てくる妊娠ホルモン(hCG)が、尿中にあるかどうかを検査するものです。
    婦人科で検査を受ければさらに明らかでしょう。
    ただし、女性の同意がなければ無理やり検査を受けさせることは難しいでしょう。

    出産前に父親が誰であるかを調べることはできるのでしょうか?

    出産前に父親についてのDNA鑑定をすることは可能でしょうか。
    技術的には、母親から羊水若しくは絨毛を採取して行うことは可能です。
    しかし、強姦などによる出生前鑑定の場合は、しかるべき手続を経ることになりますが、それ以外の事件性のない出生前鑑定をしてくれる病院は見つからないでしょう。

    民法上の問題

    女性が妊娠したことによる中絶費用の支払い請求をしてきた場合、支払わなければならないのでしょうか?

    そもそも、男女が合意の上で性行為(SEX)をし、その結果妊娠したのならば、双方の自己責任です。男性側に一方的に責任があるということはありません。
    まして妊娠は病気やけがではないので、損害を被ったという考え方も誤りで、慰謝料は発生しません。

    中絶費用(実費)はどうでしょうか。産むか中絶するかを最終的に決定するのは女性である以上、中絶を決定した結果に対するコストを男性に押し付けることはできません。男性には中絶費用を支払う義務はありません。
    ただし、男女の付き合い全体について男性に不法行為(民法708条)がある場合には、不法行為に対する損害賠償請求の中で、中絶費用についても支払いが認められているようです。
    いずれにせよ、避妊に失敗した結果の責任は双方にある以上、少なくとも中絶費用の半額を負担した方が問題は生じにくいでしょう。
    ただし、女性の妊娠が強姦による場合のように、女性が男性から、強引に性行為(SEX)を強制されて妊娠し、中絶せざるを得なくなった場合は、中絶費用(実費)および慰謝料が認められます。

    合意の上での性行為(SEX)であったのに無理やりされたと女性が主張して、支払いを請求されたらどうすべきでしょうか。
    不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求をする女性の側に立証責任があります。
    妊娠し、中絶し、手術費用を負担したという一連の事実を全て女性が立証しなければなりません。
    具体的には、女性に対して、妊娠したこと、中絶したことについて、病院で医師の診察を受けた際のエコー写真や診断書、治療費・中絶費用の領収書の提出を求め、女性が応じられないのであれば支払う必要はありません。

    ※男性に中絶費用及び慰謝料の支払い義務はないものの、女性が、法定の堕胎期間のデッドラインぎりぎりで交渉をしてきた場合は難しい問題が生じます。
     女性に出産されてしまうと、男性には子の認知義務と養育費の支払い義務が生じてしまいます。
     産んでほしくなければ支払えと女性に迫られれば、実際には男性は支払わざるを得なくなる場合もあるでしょう。

    実際にあった事件&ニュース

    【性行為(SEX)から3日で妊娠?「責任取れ」 ホスト脅迫の女ら逮捕】2012.3.14

    ホストクラブに勤務する男性を監禁暴行、さらに現金を脅し取ろうとしたとして、警視庁捜査1課は13日までに、監禁致傷と恐喝未遂の疑いで、横浜地南区の無職の女O(27)、同市中区の無職の男T(26)、18〜19歳の少年少女5人の総勢7人を逮捕しました。
    O容疑者ら7人の逮捕容疑は、2月27日午後3時半ごろから、翌28日午後0時35分ごろまでの間、O容疑者の自宅マンションで、男性に包丁などを突きつけ「500万円持ってこい!責任取れ!殺すぞ!」などと脅迫。顔面を殴るなどした上で、JR関内駅構内のコーヒーショップまで車で連れ回し、監禁した疑い。
    捜査1課などによると、被害者の男性は19歳でホストクラブ勤務。インターネットを利用して自分の客を募集していました。これに応募してきたのがO容疑者で、24日に待ち合わせをし、同日中に関係を持ちました。
    男性はO容疑者の自宅マンションに翌25日から転がり込み、同所から出勤していました。しかし、ここで両者に何らかのトラブルが発生したとみられ、初性交(SEX)から3日目の27日、O容疑者が突然「妊娠した!」と騒ぎ出したといいます。
    捜査関係者によると、O容疑者のグループから、現金要求の電話を受けた男性の父親がただちに警視庁へ通報。捜査員が待ち合わせ場所になったコーヒーショップで張り込んでいました。
    そこに、ノコノコと現れたO容疑者らの身柄を確保し、男性を保護しました。O容疑者が現金の受け取り役で、仲間のT容疑者が見張りを務めていました。O容疑者とT容疑者の関係については、元カレなのか、いまカレなのか、別カレなのか判然としていません。
    O容疑者は調べに対し、「レイプされたから慰謝料を請求しただけだ」と容疑を否認していますが、捜査関係者は「いずれにしても、関係を持ってから2、3日で妊娠が判明したという話には相当なムリがある」とあきれ顔でした。

    妊娠中絶した後に揺すられるケースもあるようです

    実際にあった事件&ニュース

    【「妊娠中絶ばれた」自衛官から200万円詐取】2012.6.29 読売新聞

    神奈川県警田浦署は28日、埼玉県幸手市、無職の女(35)を詐欺容疑で逮捕しました。
    発表によると、容疑者は2006年12月から2007年3月までの間、携帯電話の出会い系サイトで知り合った横須賀市の海上自衛官の男性(39)から、5回にわたって計200万円をだまし取った疑い。容疑者は男性に、「妊娠中絶したことが父親に知られ、父親が慰謝料を求めている」とウソを言い、自分の口座に振り込ませていたといいます。
    容疑者は「振り込ませた金は、借金返済や生活費に使った」と容疑を認めています。

    CASE.2こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    関係をもった女性が自分の子を妊娠した。中絶費用を支払わなければならないのか?

    刑法(その他特別法)上の問題

    本当は妊娠していないにもかかわらず、妊娠したと言って中絶費用を要求しているのであれば、
    また、本当は別の男性の子供を妊娠しているにもかかわらず、あなたの子を妊娠したと言って中絶費用を要求しているのであれば、

    詐欺罪(刑法246条)が成立します。

    既に支払ってしまっていれば詐欺既遂罪。
    金品の要求をされているだけでまだ支払ってはいない場合であれば詐欺未遂罪。

    妊娠しているか否かの証明方法は?

    市販の妊娠検査薬でも検査可能です。妊娠検査薬は、妊娠すると尿の中に出てくる妊娠ホルモン(hCG)が、尿中にあるかどうかを検査するものです。
    婦人科で検査を受ければさらに明らかでしょう。
    ただし、女性の同意がなければ無理やり検査を受けさせることは難しいでしょう。

    出産前に父親が誰であるかを調べることはできるのでしょうか?

    出産前に父親についてのDNA鑑定をすることは可能でしょうか。
    技術的には、母親から羊水若しくは絨毛を採取して行うことは可能です。
    しかし、強姦などによる出生前鑑定の場合は、しかるべき手続を経ることになりますが、それ以外の事件性のない出生前鑑定をしてくれる病院は見つからないでしょう。

    民法上の問題

    女性が妊娠したことによる中絶費用の支払い請求をしてきた場合、支払わなければならないのでしょうか?

    そもそも、男女が合意の上で性行為(SEX)をし、その結果妊娠したのならば、双方の自己責任です。男性側に一方的に責任があるということはありません。
    まして妊娠は病気やけがではないので、損害を被ったという考え方も誤りで、慰謝料は発生しません。

    中絶費用(実費)はどうでしょうか。産むか中絶するかを最終的に決定するのは女性である以上、中絶を決定した結果に対するコストを男性に押し付けることはできません。男性には中絶費用を支払う義務はありません。
    ただし、男女の付き合い全体について男性に不法行為(民法708条)がある場合には、不法行為に対する損害賠償請求の中で、中絶費用についても支払いが認められているようです。
    いずれにせよ、避妊に失敗した結果の責任は双方にある以上、少なくとも中絶費用の半額を負担した方が問題は生じにくいでしょう。
    ただし、女性の妊娠が強姦による場合のように、女性が男性から、強引に性行為(SEX)を強制されて妊娠し、中絶せざるを得なくなった場合は、中絶費用(実費)および慰謝料が認められます。

    合意の上での性行為(SEX)であったのに無理やりされたと女性が主張して、支払いを請求されたらどうすべきでしょうか。
    不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求をする女性の側に立証責任があります。
    妊娠し、中絶し、手術費用を負担したという一連の事実を全て女性が立証しなければなりません。
    具体的には、女性に対して、妊娠したこと、中絶したことについて、病院で医師の診察を受けた際のエコー写真や診断書、治療費・中絶費用の領収書の提出を求め、女性が応じられないのであれば支払う必要はありません。

    ※男性に中絶費用及び慰謝料の支払い義務はないものの、女性が、法定の堕胎期間のデッドラインぎりぎりで交渉をしてきた場合は難しい問題が生じます。
     女性に出産されてしまうと、男性には子の認知義務と養育費の支払い義務が生じてしまいます。
     産んでほしくなければ支払えと女性に迫られれば、実際には男性は支払わざるを得なくなる場合もあるでしょう。

    CASE.3こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    関係をもった女性が自分の子を妊娠し、既に中絶したと連絡してきた場合、中絶費用を支払わなければならないのか?

    刑法(その他特別法)上の問題

    本当は妊娠していないにもかかわらず、妊娠したと言って中絶費用を要求しているのであれば、
    また、本当は別の男性の子供を妊娠しているにもかかわらず、あなたの子を妊娠したと言って中絶費用を要求しているのであれば、

    詐欺罪(刑法246条)が成立します。

    既に支払ってしまっていれば詐欺既遂罪。
    金品の要求をされているだけでまだ支払ってはいない場合であれば詐欺未遂罪。

    妊娠しているか否かの証明方法は?

    市販の妊娠検査薬でも検査可能です。妊娠検査薬は、妊娠すると尿の中に出てくる妊娠ホルモン(hCG)が、尿中にあるかどうかを検査するものです。
    婦人科で検査を受ければさらに明らかでしょう。
    ただし、女性の同意がなければ無理やり検査を受けさせることは難しいでしょう。

    出産前に父親が誰であるかを調べることはできるのでしょうか?

    出産前に父親についてのDNA鑑定をすることは可能でしょうか。
    技術的には、母親から羊水若しくは絨毛を採取して行うことは可能です。
    しかし、強姦などによる出生前鑑定の場合は、しかるべき手続を経ることになりますが、それ以外の事件性のない出生前鑑定をしてくれる病院は見つからないでしょう。

    民法上の問題

    女性が妊娠したことによる中絶費用の支払い請求をしてきた場合、支払わなければならないのでしょうか?

    そもそも、男女が合意の上で性行為(SEX)をし、その結果妊娠したのならば、双方の自己責任です。男性側に一方的に責任があるということはありません。
    まして妊娠は病気やけがではないので、損害を被ったという考え方も誤りで、慰謝料は発生しません。

    中絶費用(実費)はどうでしょうか。産むか中絶するかを最終的に決定するのは女性である以上、中絶を決定した結果に対するコストを男性に押し付けることはできません。男性には中絶費用を支払う義務はありません。
    ただし、男女の付き合い全体について男性に不法行為(民法708条)がある場合には、不法行為に対する損害賠償請求の中で、中絶費用についても支払いが認められているようです。
    いずれにせよ、避妊に失敗した結果の責任は双方にある以上、少なくとも中絶費用の半額を負担した方が問題は生じにくいでしょう。
    ただし、女性の妊娠が強姦による場合のように、女性が男性から、強引に性行為(SEX)を強制されて妊娠し、中絶せざるを得なくなった場合は、中絶費用(実費)および慰謝料が認められます。

    合意の上での性行為(SEX)であったのに無理やりされたと女性が主張して、支払いを請求されたらどうすべきでしょうか。
    不法行為(民法709条)に基づく損害賠償請求をする女性の側に立証責任があります。
    妊娠し、中絶し、手術費用を負担したという一連の事実を全て女性が立証しなければなりません。
    具体的には、女性に対して、妊娠したこと、中絶したことについて、病院で医師の診察を受けた際のエコー写真や診断書、治療費・中絶費用の領収書の提出を求め、女性が応じられないのであれば支払う必要はありません。

    ※男性に中絶費用及び慰謝料の支払い義務はないものの、女性が、法定の堕胎期間のデッドラインぎりぎりで交渉をしてきた場合は難しい問題が生じます。
     女性に出産されてしまうと、男性には子の認知義務と養育費の支払い義務が生じてしまいます。
     産んでほしくなければ支払えと女性に迫られれば、実際には男性は支払わざるを得なくなる場合もあるでしょう。

    CASE.4こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    付き合っていた女性から妊娠したから産みたいと言われた場合、産ませない方法はありますか?

    女性が出産した場合

    男性には、認知することと、子に対する養育費について支払義務が生じます。
    さらに、自分の財産について、子に相続権が発生します。

    女性は、保菌者と性行為(SEX)を行えば自分にもうつる可能性があることを知りながら承諾しているのであるから、男性に女性に対する傷害罪(刑法204条)は成立しないのではないでしょうか。傷害についての女性の同意は有効でしょうか。

    無理やり女性に堕胎させることはできるでしょうか。

    刑法上、堕胎は罪になると規定されています。
    妊婦が自ら堕胎行為を行う場合であっても、罪となります。
    ただし、母体保護法が、妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがあるもの(同法14条1項1号)には、医師の認定による人工妊娠中絶を認めており、これが緩やかに運用されているため、検挙数は少ないのが実情です。

    なお、適法な中絶をするためには、指定された医師が、中絶する本人とその配偶者(もしくは相手の男性)の同意(署名、捺印)を得た上で行うことが必要です(母体保護法14条)。そのような方法によらない限り刑法上犯罪行為となります(212条以下)。
    実際問題としては、病院がいちいち本人確認をしないので、同意書に友人が代筆することがまかり通る場合があるようです。

    堕胎の罪について

    堕胎の罪とは、自然の分娩期に先立って人為的に胎児を母体から分離させる罪です。
    胎児を母体内で殺す行為も堕胎に当たります。

    212条自己堕胎罪妊婦自身妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したとき1年以下の懲役
    213条同意堕胎妊婦以外
    (妊婦の同意あり)
    女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者2年以下の懲役
    同意堕胎致死傷罪よって、女子を死傷させた者3ヵ月以上5年以下の懲役
    214条業務上堕胎医師・助産師等による医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたとき3年以上5年以下の懲役
    業務上堕胎致死傷罪よって女子を死傷させたとき6ヵ月以上7年以下の懲役
    215条不同意堕胎罪妊婦以外
    (妊婦の同意なし)
    女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者6ヵ月以上7年以下の懲役
    216条不同意堕胎致死傷罪よって女子を死傷させた者致傷:6ヵ月以上7年以下の懲役
    致死:3年以上20年以下の懲役 ※1

    ※1
    216条には「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」と規定されています。
    この意味は、傷害の罪の法定刑と比較して、その上限および下限ともそれぞれ重いほうに従って処断されるという趣旨です(最判昭和28.4.14)。
    不同意堕胎罪の法定刑は6ヵ月以上7年以下の懲役(215条)、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役または50万円以下の罰金・科料(204条)、傷害致死罪の法定刑は3年以上の有期懲役(205条)だから、致傷の場合は6ヵ月以上15年以下の懲役となり、致死の場合は3年以上の有期懲役(20年以下−12条1項)となります。

    妊娠した恋人の女性の同意を得ずに無理やり堕胎させる行為は、不同意堕胎罪(刑法215条)となり、その際に女性が死傷すれば、さらに重い刑なります。
    女性が出産を決意した以上、男性が強制的に阻止する方法はありません。

    参考
    母体保護法
    第14条(医師の認定による人工妊娠中絶)

    都道府県の区域を単位として設立された社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。

    一 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの。

    二 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの。

    2 前項の同意は、配偶者がしれないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者がなくなったときには本人の同意だけで足りる。

    CASE.5こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    愛人が妊娠した際に、手切れ金として500万円を渡し、今後一切金銭上の請求はもちろん、認知の請求もしない旨の誓約書を書かせました。しかし、1年後に突然、認知してくれなければ裁判を起こすという一方的な手紙が届きました。誓約書がある以上、応じる必要はありませんよね?

    認知請求を拒否することはできません。

    最高裁判所をはじめ一連の判例は、子の父に対する認知請求権は、それが身分上の権利であり、それを認めた民法の精神に照らして、放棄することができないものであるという立場をとっています。
    認知されれば当然、その子供には相続権も生じます。
    自分のまいた種にはどこまでも責任がついてまわります。別れる際に、認知請求しません、という書類を取り交わしたとしても意味のないものです。

    では、約束が無効であれば、愛人は受け取った500万円を返さなければならないのでしょうか?

    法を犯した者が汚れた手を差し出して権利主張することを法は認めません。
    認知請求権の放棄という不法の行為の対価として受け取ったもので、返す必要はありません(民法708条 不法原因給付)。
    ただし、金銭を受け取った側から扶養を請求した場合は、金銭を受け取っている事情が考慮される可能性があります。

    CASE.6こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    女性から子どもを産んだ後で、責任をとってくれと言われたら?
    ① 認知の訴えをはねのける方法はありますか?
    ② 養育費の請求をはねのける方法はありますか?

    刑法(その他特別法)上の問題

    父の子供に対する義務について

    男性には、
    子供を認知する義務
    子供に対する養育費の支払い義務
    が生じます。
    また、自分が死亡した際には自分の財産について子供に相続権が発生します。

    トラブル① 認知について

    婚姻中に妻が産んだ子(嫡出子)は夫の子であると推定されます(民法772条1項)ので、反証がない限り父子関係は確定します。
    一方、婚姻外で生まれた子供(非嫡出子)については、「その父又は母がこれを認知することができる(民法779条)」として、父の認知があってはじめて父子関係が確定することになっています。
    つまり、婚姻関係にある男女の場合は、(建前上)妻が夫以外の男性と性交渉(SEX)するはずはないので、当然生まれた子は夫の子でもあることになりますが、婚姻関係にない男女であれば、たとえ婚約していたり内縁関係にあったりしていても、まだ他の男性と性交渉(SEX)をした可能性がある(基本的には婚約したり内縁関係にあったりすれば貞操義務はあります)ため、認知という手続きによって父を確定する必要があるということです。

    認知の種類

    任意認知と強制認知の2つがあります。

    任意認知

    父たるべき者がその自由意思で子を自分の子として承認する認知
    (届出によってすることもできますし、遺言によってすることもできます。)

    強制認知

    父たるべき者の意思にかかわらず裁判により父子関係の存在を確定する認知

    父とされる男性が認知を拒否した場合には、その子(未成年の場合は法定代理人なので、実質的には母)らは、認知を求めて裁判所で争うこととなります。

    認知の訴えの手続き

    認知の請求をできるのは、子、その直系卑属、これらの者の法定代理人であり、父または母が死亡して3年経過するまで請求できます(民法787条)。
    まず家庭裁判所に調停を申し立て、調停の場で認知することの合意を求めます。このとき合意しない場合には、次に地方裁判所に提訴することになります。
    裁判という事になると、認知を請求する側(この場合母)は相手の男性と性交渉(SEX)をもったこと、少なくとも出産前1年以内には相手の男性以外とは性交渉(SEX)をもっていなかったことなどを証明しなければなりません。
    その他の証拠とあわせて、裁判所が血液型やDNA鑑定などの調査を行い、父であるか否かの判断がなされます。

    認知の効果

    認知をすると、その子が生まれたときから認知した父親との間に法的親子関係があったものとして扱われます。=生まれた時に遡って効果を生じるので「遡及効」といいます。
    認知によって親子関係が発生することで、相続や扶養などの法律的効果が発生します。
    なお、認知によっても親権者・監護者は当然には変更されず、認知後に父母の協議や家庭裁判所の審判で定めることが出来ます。

    父親は、子に対する扶養義務を負うため、養育費を支払う必要が生じます。
    自分が死亡した時には、自分の築いた財産について、認知した子にも相続の権利が生じます。
    認知することで、自身の負担が増えることを嫌う人もいるでしょうし、現在の家族関係が壊れることを危惧する人もいるでしょう。

    そのような場合、自ら任意認知をすることはないにしても、強制認知について、つまり子どもから認知の訴えを起こされた場合に、これをはねのけることはできるのでしょうか。

    認知の訴え=強制認知(民法787条)

    非嫡出子であることについて子に責任はありません。
    子が父親に父子関係の発生を求めるのであれば、それを父親が拒むというのは無責任すぎると言えるでしょう。
    子は、親の意思に反しても実の両親と法律上の親子関係を発生させることができます。

    提訴期間(出訴期間)

    認知の訴えは、父の生存中は出生後何年経ても提訴できます。
    ただし、父の死後は3年を経過するまでに制限されます。

    父子関係の証明

    間接事実を総合して父子関係を認定するとされています。
    原告(子ども)が主張すべきことは
    ① 子の懐胎可能な時期に、子の母と父とされる男性との間に性的関係があったこと
    ② 母と他の男性との性的関係があったことが明らかにされていないこと
    ③ 被告(父とされる男性)と子との間に血液型において父子関係が存在する蓋然性が認められること
    被告(父とされる男性)が、認知の訴えをはねのけるためには、母と他の男性との性的関係を証明する必要があります。

    DNA鑑定

    最近では、血液型のほか、遺伝子レベルでの鑑定(DNA鑑定)の検査技術が進歩し、「最高裁判例の挙げる間接事実の存否につき詳細な証拠調べを開始する前にまず問題となる子と被告たる男性との間の父子関係の存否に付き法医学鑑定(親子鑑定)を実施し、その結果に応じ、必要な限度で他の証拠調べを実施する運用が常識となっている」ともいわれます。

    DNA鑑定の親子関係判定の制度は、100%ではないものの極めて高く、今日では技術に進歩により、短時間で結果が判明し、費用も比較的安くなっています(20〜30万円といわれます)。

    DNA鑑定を拒否することはできるか。

    被告が採血等を拒否すると、現行法上は強制する手段がありません。

    採血拒否を理由に直ちに不利な認定をすること(採血に応じられないということは親子関係が認められてしまうからではないかということ)は相当ではないとされています。
    しかし、DNA鑑定が不可欠なわけではありません。東京高判昭和57年6月30日は、被告が採血への協力を拒否した事案で、鑑定結果が得られなくとも、「科学的な裏付けなしに親子関係が存在すると推認することが不相当であるということはできない」として、認知請求を認めました。

    なお、内縁中に生まれた子については、内縁関係成立後200日以後、解消後300日以内の誕生であれば、父子関係が事実上推定されます(民法772条2項)。
    もっとも、認知が不要になるわけではありません。

    トラブル② 養育費の請求について

    養育費を支払わないか、滞納が続けば、給与所得者については給与を差し押さえられることが考えられます。債権者が確実に現金を抑える手段としてよく活用される方法です。
    給料の差押えは、原則として給料の4分の1までですが、婚姻費用や養育費、生活援助としての財産分与については2分の1まで可能です(民事執行法151条の2、152条)。

    また、平成15年に、養育費に関して支払が遅れた場合などは、義務者の収入を将来の分も含めて差し押さえることができる制度が導入されました(民事執行法151条の2)。さらに、裁判所で決まった生活費や養育費などの支払いを怠ったときは家庭裁判所が履行の勧告や履行命令(命令違反に対しては10万円以下の過料)を出せることになりました(人事訴訟法38条、39条)。

    しかし、自営業者であれば給与の差押えをすることができないので、支払い続けないということで、事実上女性からの権利行使をはねのけることが可能になるかもしれません。

    CASE.7こういう時 どうなる? こういう時どうなる?

    関係をもった女性が妊娠したので産みたいと言ったため、頭に血が上ってお腹を蹴りつけたところ流産してしまいました。赤ちゃんに対する殺人罪になるのでしょうか?

    堕胎の罪になるだけで、殺人罪にはなりません。

    刑法における「人」に胎児は含まれません。
    胎児を死亡させたとしても、堕胎の罪になるだけで、殺人罪にはなりません。
    しかし、母親のお腹にいる胎児を死亡させる場合、母親に対する働きかけが介在するはずであって、人(母親)に攻撃をして、胎児を死亡させるのは殺人罪になるのでしょうか。
    また、胎児が母親のお腹にいる間に、胎児に害を与える医学的に疑いのある薬を投与したところ、出産したもののまもなく子供が死亡した場合、母体内の胎児に対する加害行為であり、その結果は出生後の人に現れている。やはり、この場合、薬を投与した者は殺人罪や業務上過失致死罪の罪責を負うのでしょうか。

    最高裁判所の判断としては、胎児に対する犯罪ではなく、母親に対する傷害罪(刑法204条)、過失傷害罪(刑法209条)であるとしています(最決昭和63.2.29)。

    この【CASE.8】の場合は、胎児は「人」ではないので、胎児に対する殺人罪(刑法199条)は成立しません。判例の立場に従うと、母親に対する傷害罪(204条)が成立するでしょう。

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