「夜の蝶」「肉食系女子」の落とし穴実録刑事事件弁護士

[ 問 題 ]Q59 レイプされた。体は手術済みでいわゆる「ニューハーフ」だが戸籍は男。強姦罪で告訴できるか。
不正解答え:『 B.強制わいせつ罪で告訴できる。 』
理由:強姦罪の被害者は女性のみです。戸籍が男性なら強姦罪は成立せず、強制わいせつ罪にとどまると考えるのが妥当でしょう。
正解!答え:『 B.強制わいせつ罪で告訴できる。 』
理由:強姦罪の被害者は女性のみです。戸籍が男性なら強姦罪は成立せず、強制わいせつ罪にとどまると考えるのが妥当でしょう。
不正解答え:『 B.強制わいせつ罪で告訴できる。 』
理由:強姦罪の被害者は女性のみです。戸籍が男性なら強姦罪は成立せず、強制わいせつ罪にとどまると考えるのが妥当でしょう。

レイプされた。体は手術済みでいわゆる「ニューハーフ」だが戸籍は男。強姦罪で告訴できるか。

「レイプって言われても……」

「お姉さん、スタイルいいね。モデルさん?ちょっと話しようよ。」
「ねえねえお姉ちゃん。一緒に飲まない?」
身長172センチメートルのCは、ピンヒールでほぼ180に届きそうなほどの長躯です。もともと華奢な方で、目鼻立ちのくっきりした顔は目を引くタイプ。新宿の街では誰もが振り返ります。
夜の仕事が向いているかはわかりませんが、実家を飛び出して5年。Cの「趣味」を受け入れられない親とは決別しました。
Cの家は、勤め先の新宿2丁目から歩いて帰れる安アパート。繁華街から1歩入ると嘘のように人影がなくなります。
疲れた体を引きずるように早暁の路地裏を歩いていると、隣にワンボックスが止まった。あっという間に中から2人の男が飛び出し、Cは1人から頭を殴られ、朦朧としているうちに車内に引きずり込まれました。
そこからはあまり覚えていませんが、運転手の男も合わせて3人から服をはぎ取られ、犯されました。投げ捨てるように、Cは車から蹴り出され、彼らは走り去りました。
Cは泣きながら、敗れたブラウスを手でかき合わせ警察に駆け込みました。
「レイプされました…。」
あふれる涙をこらえながら、声にならない声を絞り出しました。婦人警察官が子供に話しかけるかのように、刑事事件の被害者であるCを優しく包み込むように接してくれました。
「気の毒に。辛いと思うけど話してくれるかな。少しずつでいいよ。まずは、あなたの名前を教えてくれる? それから仕事は何をしているの?」
「ホステスしてます。名前は、・・・キャサリン。」
「源氏名じゃなくて、本名教えてくれる?外部には絶対漏れないから。」
「・・・本名は、・・・C男・・・。」
刑事らは顔を見合わせて絶句しました。
「私、ニューハーフなんです。でも、もの心ついた頃から心は女。性転換手術もしてあるから、体も女です。」
「でも、男性だよね……? 前から?後ろから? 刑事事件の被害者?レイプって言われても……」

体の変更と戸籍の変更はどちらが重要か

刑法177条は、強姦罪の被害者を女性に限定しています。
では、男性が女性から性行為を強要されたり、男性が男性から肛門性交されたりした場合、男性は強姦の被害者にならないのでしょうか。刑事事件弁護士が各疑問点について解説します。
特に、性同一性障害のように、生物学的には男性ですが、女性の内面を持つ被害者であれば、心の傷は女性が受けるものと同様のはずです。また、性転換手術を済ませているのであれば、裸になれば女性と変わりません。膣様の部分に、男性から陰茎を挿入されても強姦を主張することはできないのでしょうか。
残念ながら、強姦罪が被害者を「女子」と限定している以上、これらの場合に強姦罪は成立しません。ただし、強制わいせつ罪については、「男女に対し」と明記されているため、男性に対するわいせつ行為にも罪が成立し刑事事件にすることができます。ただ、強姦罪が3年以上の有期懲役であるのに対して、強制わいせつ罪は6月以上10年以下の懲役と、法定刑にかなりの差があります。
最近では、ニューハーフ、ゲイと呼ばれるタレントがテレビでも多く活躍しており、性同一性障害の問題も一般的になりつつあります。男性が強姦の被害者になり得ないというのは結論として妥当性を欠くとも思われます。
戸籍の変更まで済ませている場合はどうでしょうか。平成16年7月から、一定の条件を満たせば、家庭裁判所の審判により、法令上、戸籍上の性別を変更できることになりました。
この手続きにより、性別の取扱いの変更の審判を受けて女性となった者については、強姦罪の被害者となるものと考えられます。

肛門性交は強姦にならない

被害者の戸籍は女性だが、肛門性交であった場合には強姦罪は成立するのでしょうか。
屈辱や恐怖の度合いはむしろ、姦淫行為以上であり、強姦罪が成立し刑事事件になってもおかしくないと思われます。しかし、この場合は強制わいせつ罪の刑事事件にとどまることになります。強姦罪は男性器を女性器に挿入することをもって成立するからです。
これを悪用した事件が実際に起きました。
2003年7月29日に犯人が逮捕された刑事事件。女性の部屋に押し入り性的暴行を働いた犯人の手口は、女性の肛門に浣腸をして排泄させ、男性器を挿入するというもの。15件の連続刑事事件で、強制わいせつ致傷などの罪に問われたものの、強姦罪は適用されませんでした。「強姦罪を免れるために肛門を狙った」との供述が報じられています。
刑事事件弁護士としては、強姦罪が保護するのは「女性」の性的自由であり、「男性」の性的自由ではないということ、あるいは肛門性交を強姦で断罪できないという結論は、やや違和感があります。肛門性交は多くの場合に裂傷を伴うので、強制わいせつ致傷として強姦致傷と同じ法定刑になること、法定刑の幅が広い強制わいせつ罪でも重く処罰することが可能であることを考慮しても、違和感が残る結論といえるでしょう。

刑事事件弁護士の一言

戸籍を変更していたかどうか。

このページのトップへ
ご家族のための無料相談24時間受付

-逮捕されない・前科をつけない・人に知られない-性犯罪の疑いをかけられたサラリーマンを守る

逮捕されたご家族のために
無料相談24時間受付中0120-777-132
Copyright ©2011 刑事事件弁護の東京永田町法律事務所 All Rights Reserved.