実録刑事事件弁護士

なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?

著者:長谷川 裕雅なぜ酔った女性を口説くのは「非常に危険」なのか?
真面目なサラリーマン・学生が、性犯罪の容疑者となる事件は、掃いて捨てるほどある。本書は、男女トラブルの表と裏を知りつくす、元新聞記者の弁護士が書き下ろした、異色の「法律ショートドラマ集」。実際に起こった事件に基づく「本当にあったこわい話」58話とQ&Aに解説を加え、「有名人の性犯罪事例リスト」も掲載。
[ 出版:プレジデント社 ]
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はじめに

男女の距離感を測るのが難しい時代

携帯電話がない時代は、自宅の電話番号を聞き出せたかどうかが相手の好意を推し量る1つのメルクマールでした。聞き出せれば第一関門はクリアです。
今は携帯番号でしょう。聞き出せなければ逆に、よほど嫌われているということになります。
そして、性行為に対する考え方も変わりました。遊び感覚で性行為をしたり、性行為をするだけの友達を作ったり、すぐ性行為をしたりするなど、性行為に対するハードルは下がる一方です。
男女の距離のつめ方のスピードは、アナログ秒針だった昔と違って今は、デジタルになりました。しかも1秒で5秒も進むほどの速度です。相手の反応を見ながら徐々に距離をつめていくことができません。だから相手の気持ちを、段階を追って理解していくことができないのです。
男女の距離感の測り方が難しい時代といえます。
相手も同意していると思っていたが実際には違ったという場合、和姦(合意に基づく性行為)か強姦かで争い刑事事件となります。自分は好かれていると思っていたが実際には違ったという場合には、相手方に復讐しようとするかもしれません。相手の気持ちの読み違えが、多くの性犯罪や男女トラブルにつながっています。
男女トラブルの種類も昔に比べて多くなりました。「セクハラ」や「ストーカー」はもう、流行語ではありません。距離感が測りづらいからといって、異性に無関心ではいられないのが現実です。全ての人に関係する問題なのです。

「加害者」は本当に加害者か

世の中には男と女しかいません。
性欲という、人間の本質に関わる欲望に惑わされ、有名人が逮捕され、報道されます。一流企業のサラリーマンが逮捕され、会社を首になることもあります。
一瞬の快楽のために、一生を棒にふる人間は残念ながら多数います。性犯罪の刑事事件や男女トラブルの刑事事件に関わる刑事事件弁護士への相談は極めて多いです。しかし、各刑事事件によっては、渦中の人間に対して同情を禁じ得ないものもあります。
たとえば、アイドルの母親による淫行事件です。母は果たして加害者なのでしょうか。リーダーの母親と性行為をしたことを喧伝していたという報道が本当ならば、「被害者」の少年はさながら武勇伝かのように考えているのではないかと思われます。たまたま娘がアイドルだったので報道されました。
都内の公園で公然わいせつをしたという刑事事件もありました。元気のよい学生ならば、酔った勢いでやりかねません。ハングルができるマルチタレントだってストレスもたまります。たまたま通報されるかどうかで明暗が分かれるのです。
恋人同士の戯れが写真で公になったプライバシー侵害事件がありました。汗と涙の高校球児だって、陰ではタバコを吸う時代です。ニュースを読む女子アナだって、性行為はするでしょう。未成年の喫煙は違法ですが、コンドームの箱を持って写真に写ることに何ら違法はありません。
言いたいことがあったのではないでしょうか。
ひとつの刑事事件について、男性サイドと女性サイドでそれぞれ言い分がある場合もありますから、多角的な観点で考える必要があります。

法律でできることとできないこと

男女トラブルの刑事事件は多くの場合、社会的にみて1つの単発的な出来事・事件です。男女トラブルの問題に限りませんが、弁護士が介入するか否かを問わず、社会の生の出来事を民事事件的に刑事事件的に分析するのが法律の考え方です。お金を払わされるのは民事事件で、刑務所に行かされるのは刑事事件になります。
具体的な事例に対して法的分析を加えると、ケーススタディから素朴に感じることと、刑事事件弁護士として法律でできることとのギャップを感じます。
女性があまりにも不憫ではないかと思っても、刑事事件弁護士として法律を駆使してできることが実はない場合もあります。道徳や倫理の問題は当然にありますし、敵をつくれば刃傷沙汰になるなど事実上のリスクはあります。法律は万能であるという誤解を解いてもらい、法律は社会の規律の1つにすぎないことを理解してもらう必要があります。

性犯罪を疑われたら「すべてを失う」

性犯罪の刑事事件や男女トラブルの刑事事件は1度巻き込まれると、無実や潔白を証明することが困難です。和姦であると主張しているにもかかわらず、強姦であると認定された刑事事件で、服役したサラリーマンもいます。被害者の証言が自然で信用できるという理由だけで、すべてを失いました。
誰もが、性犯罪の刑事事件に巻きもまれたことだけは絶対に知られたくないと考えます。実際、痴漢で逮捕され、会社を欠勤する被疑者が会社に対し、「酒席での暴行罪で逮捕された」と嘘の報告をすることがあります。逮捕されたことは知られても構わないが、性犯罪の刑事事件の当事者になることだけは絶対に困るのです。
1度疑われると潔白を証明することが難しいのが性犯罪の刑事事件や男女トラブルの刑事事件です。世間からの風当たりも強く、刑事事件弁護士の活動により示談をするなどして刑事事件化を阻止しないと、以前と同じ生活を送るのは難しくなってしまいます。

まとめ

A男は不動産会社のやり手営業マン。ここ数年連絡を取っていなかった大学時代の友人M男から電話がありました。
勤務先の都市銀行から派遣されて米国留学に出発するとのこと。留学前の挨拶で電話してきたようでしたが、会話は弾み出身大学で起きた大事件に及びました。
大学の元公認サークルのメンバーらが多数の女子大生を集団強姦していた刑事事件です。

大学に入学したばかりの1年生の春に、合コンでA男そのサークルのリーダーであったD男と出会いました。雨の降る日の夕方だったと思う。
大教室の授業を受けていると、仲の良いM男に話しかけられました。「友達に誘われた合コンにこれから行くのだが、男のメンバーが2人足りない」とのこと。隣で授業を受けていたクラスメートを誘い、合コンに参加しました。至って普通の飲み会でした。
一次会の場所で午後11時近くまで飲み続け、女の子が遠方に住んでいたために、早めの散会になりました。男の幹事D男はA男と同じ学部の新入生同士だったため、その後もキャンパスで何度か顔を合わせました。
D男が話したことでA男が覚えているのは、4年で卒業するつもりはないこと、イベントサークルを立ち上げるつもりであることくらいです。A男はD男と顔を合わせるたびに立ち話はしましたが、知人以上、友達以下の関係でした。
いつの間にか、キャンパスでD男を見かけることはなくなりました。

大学を卒業して数年がたったとき、例の刑事事件が報道されました。クラブイベントではしゃぎながらピースサインをする被疑者がテレビに映っていました。10年近くの年月がたち、頬がふっくらとしてはいたが、D男だとすぐに分かりました。地黒の肌に、吊り上った細い目、笑った時の口の動きは変わっていません。
刑事事件では、他大学の学生を含めて多数の関係者が逮捕されました。
先ほどの電話の際にM男に聞いたことですが、D男とM男はその後も交友が続き、件のサークルのビラまきをM男が手伝ったこともあるとのこと。M男は学部時代にもニューヨークに留学しており、留学をきっかけにD男との関係が切れたそうです。M男とサークルとの関係は結局、ビラまきを数回手伝った程度だそうです。
「あのままサークルに入っていたら、俺も刑事事件で逮捕されたかもしれない。」
エリート銀行員M男は冗談で言ったのしょうが、人生はわかりません。自分がビラまきを手伝ったサークルが、忌まわしい刑事事件を起こすとは、M男も予想していなかったでしょう。この話を聞いて、A男もぞっとしました。立ち話のついでにサークルに誘われて加入していたら、自分だって刑事事件の被疑者になっていたかもしれない。刑事事件弁護士にすぐさま相談しようという知恵もなかっただろうから、突然の逮捕に絶望していただろう。今の地位や生活は手にしていなかっただろうな。

真面目なサラリーマンが強盗殺人刑事事件の被疑者になる事件は寡聞にして聞きません。
しかし、エリートが性犯罪の被疑者になる事件は、山ほどあるのです。
どんなに普段は真面目な人間でも、性欲という極めて人間的な欲求とは、無縁でいられないからでしょうか。
刑事事件にならないまでも、女性から損害賠償請求を起こされる男性も多くいます。逆に男性から訴えられる女性もいます。
彼らは普通の男性や普通の女性です。
世の中に男と女がいる限り、男女トラブルは、永遠に亡くならないでしょう。極めて日常的で、かつ、深いテーマといえます
突然、当事者になりかねない刑事事件や男女トラブル。間違った理解や俗説にとらわれることなく、正確な知識を身に付けておく必要が誰にでもあります。

※これらの記事は、実際の事件を元に記述していますが、プライバシー保護のため、一部内容を変えてあります

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